大言小語 命を懸けて守るもの
住宅新報 2011年5月3日 号 1面
もう2年経ってしまったのか。2009年5月2日、この世を去ったロック歌手忌野清志郎、今年は三回忌となる。彼を愛したファンやミュージシャンの思いは、この間全く退潮することはなかった。むしろ、更に強くなったと言える。現在を予測していたかのような楽曲「ラブミーテンダー」によって。
▼チェルノブイリ原発事故が起きた2年後、エルビス・プレスリーの原曲に乗せた反原発ソング。所属レコーディング会社と親会社との関係で、発売中止の憂き目を見る。その時の広告のコピーは「素晴らしすぎて発売できません」。現在、YouTubeなどで、同様の反原発ソング「サマータイム・ブルース」と併せて聴くことができる。そして、清志郎を愛してやまないミュージシャン斉藤和義は、自らのヒット曲「ずっと好きだったんだぜ」を替えた、「ずっとウソだったんだぜ」を作った。
▼こうした動きには反対の声も上がる。「原曲を愛するファンの心情を害するものだ」「政治的な問題は歌になじまない」。清志郎の思いも分かるし、反対の声にも首肯できる。相反する意見でも、それを発表する自由があるからこそ、判断もできる。原発に賛否はあろうが、その表明の自由は命がけで守る気概が必要だ。政府高官のこんなアナウンスは聞きたくない。「表現の自由を制限しても、民主主義に今直ちに影響の出るものではない」













