マンション・開発・経営

地所、インドのオフィス開発に初参画

 三菱地所は、インドのオフィスビル開発に初参入する。シンガポールの大手ディベロッパーグループが推進するインド・チェンナイにおけるビジネスパーク開発「International Tech Park Chennai, Radial Road」(2棟構成、各棟地上11階、地下3階、敷地面積約5.25ヘクタール、総延べ床面積約24万平方メートル)にこのほど参画。ネット・ゼロビル認証を取得するプロジェクトで、総事業費は約200億インドルピー(約350億円、1ルピー=1.7457円)、既に着工済みで、竣工はTower 1が2023年秋頃、Tower 2が24年末~2025年初を予定している。同社は、チェンナイに限らず、インドでの事業機会を探る。

 同プロジェクトは、インドのビジネスパーク開発として初のネット・ゼロビル認証(設計段階)をインド・グリーンビルディング評議会から取得しているほか、2棟目を擁する第二期では、WELL認証のゴールドの取得を目指している。ビルの運営・管理にはIT機能を積極的に活用しており、リアルタイムのデータ分析によりビル全体のエネルギー効率が制御可能な設計となっている。各施設へのアクセスは専用の携帯アプリによる入退館システムを構築。エレベーターの行先指定システムもアプリと連動して、施設内の混雑を緩和する。

 また、ビルの全体照明の75%に自然採光を活用するなど、環境にもビル就業者の働きやすさにも最大限配慮した。共用部には各棟の中心に広大なアトリウムを設置するほか、コワーキングスペースやクリニック、託児所、コンビニ、フードコート等、新しい働き方に適した設備を整備する。

 ベンガル湾を望む南インドの玄関口であるインド第4の都市・チェンナイは、IT企業等が集積するエリア。また、世界でも最難関の大学の一つといわれるインド工科大学マドラス校をはじめとする教育施設から優秀なエンジニア人材が多く輩出されている。