景気回復感で動き出てきたが、ビル空室率改善はまだ
三鬼商事(東京都中央区)のオフィス調査によると、9月末時点の東京ビジネス地区の平均空室率が5.62%で0.04ポイント、名古屋地区も同6.47%で0.17%前月より上げた。大阪地区でも同9.80%と10%超えに歯止めがかかったものの一時的なものととの見方が強い。ただ、全般的に見ると景気感の改善から需給バランスが崩れることはなさそうだ。概要は次の通り。
東京地区=8月に約1年ぶりに平均空室率が改善したが、9月は港区で大型既存ビルの空室在庫が約9000坪増加したため再び上昇に転じた。千代田・中央・新宿・渋谷では大型ビルへの入居が進み、約2000坪の募集面積が減少、小幅な上昇に止まっている。今後も一時的な上昇の可能性はあるが、景気回復の兆しとともに前向きな移転計画が増えているため、需給バランスが大きく崩れることはなさそう。
大阪地区=南森町地区、淀屋橋・本町地区、船場地区などでの小規模テナントの入居が進んだのが、空室率上昇に歯止めがかかった要因。来年の大型供給の影響から再び上昇すると思われる。ただ、来年5月竣工予定の梅田ダイビル(延べ床面積12,844坪)が竣工時にはほぼ満室が見込まれており、動きも活発なので需要拡大が期待できる。
名古屋地区=年内解約予告が出てきたため空室率が上昇したが、その傾向は緩やかで、年内にピークを迎えそうだ。選択肢の広がり、賃料相場の下げなどから動きが活発化しており、大型テナントの引き合いも強まっている。
福岡地区=リストラと新規供給の影響で空室率は7.39%と前月比で0.40ポイント上げた。11月竣工予定の博多駅前ビジネスセンター(延べ床面積7502坪)の高い稼動率の影響がまだ出そう。しばらくは予断を許さない状況が続くが、来年は夏まで大型ビルの竣工がないので需給バランスを崩す可能性は少ない。
札幌地区=平均空室率は8.62%と前月比で0.11ポイント改善され3ヶ月ぶりに低下した。竣工1年未満の新築ビルへの入居が進んだことや、既存ビルの在庫の減少が要因。とくに、東京から新規進出した大型テナントの動きが目立つ。9月上旬から動きが出てきたが、コスト削減が多く入居条件が厳しい。立地条件のよいビルは商業テナントの引き合いが強く、期待できそう。













