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【特集】現地ルポ・その後の神戸(3)

<狭い敷地は共同化で克服>
 「駅前の商店街は一日中、賑わいが絶えない下町情緒漂うパワフルな町でしたよ。たしかに、大通りから一歩入ると舗装がされてない路地も残っていましたが、住民の絆は強かったですよ」(前出・浅山会長)
 この町が見事に復興した陰には、野田北部まちづくり協議会が中心となった、地元住民の一致団結したパワーを見逃すことができない。震災直後からボランティアの人々をはじめとした救援活動はあったが、やはりそこに住む人たちのひたむきな努力と輪が、町の再生を早めたといえる。
 まちづくり協議会の提案でスタートした、町の中心部にある大国公園やコミュニティー道路が完成した直後の地震だったが、こうした日ごろの結束が復興の大きな力になったことは間違いない。復興には市や公社の賃貸住宅建設も当然あるが、地元住民の再建への情熱が一番の力なのだ。
 この町の復興の代表的な手法は、狭い敷地も共同で利用すれば快適な住宅が実現するということで始まった共同住宅の建設だ。整備が行き届かなかった路地は、門扉や植栽を除去して拡幅、美装化舗装と通りの名前の木の絵が入ったプレートを道路の中心に設置することで生まれ変わった。ポケットパークもあちこちに完成した。そして、その路地の両側には、整然と新しい住宅が建ち並んだ。商店街に面したエリアも同じで、鉄筋コンクリートづくりの共同で建てた店舗併用の建物があちらこちらに生まれた。地権者がディベロッパーと共同で建設した集合住宅も完成した。コミュニティーの強い絆で結ばれた、信頼の新しい町の誕生だ。
 昨年一年を振り返っても、一月の大国公園での「慰霊」に始まり、公園をスタート拠点とした「こうべiウオーク」「野点の会」「餅つき大会」、七月の「たかとりポケットマーケット」「音楽のまち・ながた」、八月の「大国公園夏祭り」、そして十二月には自治体連合会主催の「大餅つき大会」が行われた。「三世代が同居できる街づくりを目指す」(前出・浅山会長)というが、震災という不幸はあったものの、地域住民のコミュニティーは前にも増して強まったようだ。老若男女を問わず、自分たちの町に誇りを持って新しい世紀を迎えたことだろう。

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