不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜 記事一覧
不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜
賃貸業を営む坂口有吉さんが業務に役立つヒントをちりばめながら日常の出来事を綴ります。
人情深い坂口さんは、不動産業者に対する世間の評価が不当に低いこと受け、「日々の努力も知ってほしい」と、そんな願いを込めています。
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「散らかす男性と汚す女性」入居者限定せずが正解
ある家主さんから「新築するアパートを、男性か女性のどちらかに限定して貸すことにしたい」との相談を受けた。 アパートはワンルーム6室という規模で、家主さんは「男と女の、どちらでも可にすると風紀が乱れる(続く) -
「原状回復費を踏み倒す親子」敷金返さずも被害は甚大
多摩郊外のアパートに、離婚したばかりの若い母親と男児、つまり母子家庭が入居することになった。元々がアパートの近所に実家があり、家主さんもよくご存知ということもあって、入居時の審査も簡単に通したのだが(続く) -
賃貸居住安定化法案は偏向法「善良な家主守る法案も」
日本の法律は、どうしてこうも人権に過敏に反応するのか。しかも、本当の弱者が誰なのか、最初から観点が狂っているように思う。今後、施行される見込みの「賃貸住宅居住安定法」(仮称)のことである。こんな法律(続く) -
「ゼロゼロで募集するのは自殺行為」消費者も公平にリスク負担を
最近の賃貸市場は「礼金ゼロ」なんてのは当たり前で、礼金も敷金も不要のいわゆるゼロゼロ物件が主流になりつつある。更に、大阪での更新料裁判の行方を気にするあまり、更新料もない物件も増えている。消費者にと(続く) -
「理解に苦しむ同業者の発言」入居者に『更新拒否』の入れ知恵
私のブログは、家主さんや入居者やお客さんもご覧になっていたりする。積極的にPRしているワケではないが、ま、発見されてしまうし本人には分かるから、自分が褒められている記事ならともかく、悪い例として書か(続く) -
「賃貸のネット検索方式に一工夫を」目にとまらない築古優良物件
最近、飛び込みで不動産会社を訪問する客が減っている。世の中が不景気だから、ではない。消費者が部屋探しをする場合、自らお店に出向いて「部屋を探してるんだけど」と依頼しないで、先ずPCで情報収集するから(続く) -
「法律に則って業務した結果」有名無実の賃貸仲介料折半
宅建業法に忠実に則って契約業務をこなすとどうなるか、という悲しいお話。ある日、若いカップルから当社の管理物件に申し込みが入って審査も通り、数日して契約しに来店した。宅建業法では仲介料は貸主と借主それぞ(続く) -
「お化けより怖い現代の怪談話」身近で起こる謎の変死
先日、足立区で、日本最高齢と思われていた男性が「実は30年前に死亡していた」というニュースがあった。一緒に暮らしていた家族が、年金などを死後も搾取するために死亡の事実を隠していた疑いがあって、警察が(続く) -
ケチな客と非常識な母親「家賃に金をかけたくない」
近々結婚するというカップルが部屋探しで来店した。彼女の実家に近い場所で、2DK、駐車場付き、築浅で予算は込み込み8万円迄という条件だが、正直、希望の条件ではかなり厳しかった。彼氏は自動車メーカーの正(続く) -
「子連れ再婚のため不動産屋を利用」申し込みのない物件案内
ある中年女性が「3DK以上の良い部屋を」と来店した。いくつか紹介したうちの1件を「子供たちに見せたいので明日、案内してほしい」とのことで、翌日、車で30分ほどの隣町の自宅まで迎えに行くと、小学校低学(続く) -
実在する大学病院副院長を名乗る男、相次ぐ挙動不審な言動
店番をしていたら60歳くらいの長身の紳士が来店した。痩せ型で髪は白髪、穏やかで気品ある雰囲気が漂っていた。「大きめの貸家はないかね」と聞く。何でも、自分の家が東京都の文化財に指定されているので改造も(続く) -
都庁に通報も事なきを得る「理不尽で不誠実な客」
管理物件に同業者から申し込みが入った。申込者は市内で仏壇店の店長をしている男で、「風呂釜を交換してくれれば借りる」との条件だ。家主さんに相談すると「まだ壊れてないけど、15年も使っているから結構です(続く) -
「動物愛護とは別問題」際限ないペットの追加
入居者が家賃を払いに来てこんな依頼をする。「うちのマンションに可愛い野良猫が来るようになったので、1階のKさんと餌やりをしてたんだけど、情が移って今はうちの部屋(3階)で飼ってるんで大家さんに、猫を(続く) -
「めやす賃料」の効果は 分かりにくいお金が先
賃貸業界に影響を与えそうな「登録制&めやす賃料」のうち、「めやす賃料」について述べてみたい。 結論から言えば「めやす賃料」表示は、あまり意味がないのではということである。消費者からすれば「初期費用は(続く) -
もう一つの別の形態の保証協会 安全なのは胴元だけ
しばらく前に、強引な取り立てと追い出しで一部の保証会社が社会問題になったが、それとは全く別の形態の保証会社があったのをご存知だろうか。 周知の通り、現在の保証会社は言わば保険会社のようなもので、入居(続く) -
「呆れた家主はナンと弁護士」法律より一般常識が優先
これは、今から20年前の話。私が勤めていた不動産会社の募集物件に申し込みが入った。物件は多摩郊外のワンルームで、地方から部屋探しに来ていた娘さんが借りてくれることになり、一度郷里に戻り、数日後に契約(続く) -
ある老婦人の寂しいお話「実害なくも同情もせず」
当社の空室募集に、ある老婦人から申し込みが入った。物件は事務所使用可の2DKの部屋で、申し込みに来店した時、取ったばかりの会社謄本も持参していた。本人の話と謄本の内容から、奥多摩街道沿いで中古車販売(続く) -
LPガス業者からの営業電話「リスク高い魅力的な提案」
店番をしていたら、あるLPガス業者から電話が入った。「御社で管理しているアパートで現在プロパンをお使いの物件はありますでしょうか?」と聞く。「もちろんありますが」と答えると、「でしたら私どもからご提(続く) -
引っ越し業者が起こしたトラブル「敷金精算に口を挟むな」
多摩郊外にある貸家の入居者から退去の連絡があった。事情があって入居期間はたった2カ月だったのだが、その電話でこんな相談を受けた。 「引っ越してきた時、引っ越し業者が冷蔵庫を搬入しようとして引きずった(続く) -
ある留学生が体験した苦難「行き過ぎた審査に不信」
これは、当社管理物件の家主さんから聞いた話だ。 家主さんは、某国立大学の学生課にパートで勤めている。そこに東南アジアからの留学生が相談にやって来た。大学と提携している不動産会社の紹介でアパートを申し(続く)