不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜 記事一覧
不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜
賃貸業を営む坂口有吉さんが業務に役立つヒントをちりばめながら日常の出来事を綴ります。
人情深い坂口さんは、不動産業者に対する世間の評価が不当に低いこと受け、「日々の努力も知ってほしい」と、そんな願いを込めています。
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紙上ブログ 不動産屋の独り言 808 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 入居女性から受けた相談 隣人のアプローチに困惑
店番中にスマホが鳴った。管理アパートの入居者である若い独身女性からだ。「ちょっと相談したいことがあります」と言う。もともとが神経質な人で、心を病んでいて、今は生活保護を受けているため日中もほぼ部屋か(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 807 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 こんな家主ばかりならうれしい きちっとした対応で一貫
当社で通常の管理をしているマンションの家主の娘さんから電話が入った。家主夫婦は高齢で、今は一緒に暮らす娘さんに家賃管理を任せている。「302号室のMさんの家賃が遅れているのですが、どのように催促したらよ(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 806 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 親切心が仇になった客 家主とは気まずい仲に
とても苦い経験がある。統合失調症で生活保護を受けている男から「今度娘と一緒に暮らせることになったので部屋を紹介してほしい」と依頼を受けた。奥さんがDVで亡くなっているとも知らず部屋を紹介し、入居後に態(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 805 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 審査が難しい外国人の申し込み 入居後の対応見据えて
不動産屋も最近はコンプライアンスがうるさくて無下に断れない。例えば、外国人だから、というだけで門前払いしようものなら、裁判にでもなれば確実に負ける。だから断る時の言葉選びも慎重になる。 先日も他(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 804 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 滞納の立て替え払いで苦慮 優しい家主さんに心から感謝
当社では14棟の家賃管理をしている。それぞれの家主に、月末もしくは翌月の月初めには、入居者がいる限り、約定通り家賃が振り込まれているものとして、当社の家賃管理料5%を差し引いて管理家賃を送金している。管(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 803 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 店舗入居者との立ち退き交渉 法外な要求にあぜん
当社が管理する店舗物件で、宝飾品を作って販売する男性がいる。顧客には日本のタレントやハリウッド映画のスターもいて、自身もパリコレのランウェイ(舞台)を歩いたことがあるという。だが、それは本人の弁でどこ(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 802 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 家賃滞納で相談受けて 過去の行いが信用になる
多摩郊外の管理物件に住む家族は、コロナ禍以降、自営業であるご主人の仕事が減ってしまい、家賃の支払いが困難になった。人数の関係で狭い物件に移ることはできない。引っ越すにしても初期費用が掛かる。家賃は家(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 801 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 高齢入居者からの確認依頼 今の時代、こんなことがあるとは…
当社の管理アパートに住む生活保護の高齢女性が訪ねてきた。「頼みたいことがあるんだよ。私は最近電気代と電話代を払ってないと思うんだけど、毎晩いつ止められるかと心配で寝られないんだよ。あんたからどうやっ(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 800 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 高齢男性の入居でドタバタ 「設備悪い」とすぐ電話で
生活保護の高齢男性がアパートの契約を終え、翌日入居してきた。契約時に「電気、ガス、水道の開始手続きは済ませましたか」と聞くと、全部終わっているとのこと。安心していたら引っ越してきた日の午後、早速の電(続く) -
不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 799 珍しい経歴の飛び込み営業マン 第一印象で損しているが…
店番をしていたら、少し変わった雰囲気の営業マンがやってきた。その髪型で飛び込み営業はまずいだろう。顔立ちもイカツイ感じで第一印象は悪い。だが、飛び込み営業のつらさは知っているつもりだ。「土地の仕入れ(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言798 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 熟年離婚を防ぐ3つのK 更に「けんか」と「寛容」も
知り合いの女性から部屋探しの依頼を受けた。「夫とは30年も夫婦でいたけど、もう愛想が尽きたから離婚したい。高齢の猫を飼っているので、ペット可物件を探してほしい」と言う。 詳しく聞くと、その奥さんは(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 797 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 猫の飼い主からの入居相談 「経験上、信用できません」
当社の入居者募集物件に同業者から問い合わせがあった。「現在、お客様が猫を4匹飼っているのですが、Gハイツは入居可能ですか」と聞く。確かにペット可物件ではあるが、その場合、「犬または猫いずれか1匹のみ」(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 796 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 同業者から受けた気遣い 厚意に感謝するばかり
駅前の銀行に行く途中、同業者のMさんから電話があった。「Kアパートの101号室、畳の表替えは終わっていますかね。近くまで来ているから見てきましょうか」と言う。それは大変ありがたい。というのも、その物件は(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 795 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 ある入居者への恩 退去後も義理を返していく
昔、当社の管理物件に入居していた大手家電メーカーA社に勤める家族。数年後の退去時にトラブルが起きた。原因は家主C氏が偏屈で、「壁紙も畳もクリーニング代も、全部入居者に請求して払ってもらってくれ」と言う(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 794 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 泣く泣く縁を切ることにした業者 腕は良くても致命的欠陥で
30年近く付き合っているリフォーム業者のK氏。小さな仕事でも快く飛んで行ってくれる。仕事の出来も悪くはないので重宝して依頼していたが、致命的な欠陥があった。それは、こちらから電話しても出られなかったと(続く) -
不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 793 度重なる滞納で壊れた信頼関係 今さら手遅れではないか
当社が家賃管理をするアパートに、毎月家賃が遅れる男性がいる。何度も督促して、やっと月の半ば過ぎに振り込んでくる。電話しても用件が分かっているから出ないし、着信記録が残っているはずだが折り返しもない。(続く) -
不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 792 支払いが滞る入居者の母 払えない訳がないはずなのに
当社の管理マンションに若い男性が入居している。引きこもりで定職に就いていない。家賃は保育園で園長をする母親が払っているが、よく滞る。1年のうち、月末までに翌月分が振り込まれるのは4回ほど。8回は当月の(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 791 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 短期入居を希望する高齢女性 見事な住まい方に感激
短期貸し物件を専門に紹介する業者から、当社の募集物件に問い合わせが入った。「住宅の建て替えをする半年間だけ借りたいのです。お客様が高齢で、それだと審査が通らないでしょうから半年分の家賃を前金で支払い(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 790 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 明日は我が身か、身につまされる話 訪問者からまさかのお願い
店番をしていたらドアが開く気配。ふと見ると、高齢男性が立っていた。年齢からして生活保護のお客さんかなと思って、「いらっしゃいませ」と言うと、返答はなく、椅子に座ってバッグの中をごそごそと探し始めた。(続く) -
不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 789 劣化した照明器具の交換で 費用負担はどちらがすべきか
隣町のアパートで一人暮らしをしている高齢男性が更新契約に来て、こんなことを言う。「部屋の照明器具が急につかなくなって、台所の明かりでしのいでいた。不便なので近所の電器屋に見てもらうと、『これは蛍光管(続く)