不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜 記事一覧
不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜
賃貸業を営む坂口有吉さんが業務に役立つヒントをちりばめながら日常の出来事を綴ります。
人情深い坂口さんは、不動産業者に対する世間の評価が不当に低いこと受け、「日々の努力も知ってほしい」と、そんな願いを込めています。
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紙上ブログ不動産屋の独り言623 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 結婚を機に入居した夫婦 3年で離婚した理由は
当社と提携しているリフォーム業者が、お客さんを紹介してくれた。下請けの業者の社長とかで、今度結婚するとのことで、物件を見てもらうと、すぐに気に入って申し込みが入った。後日、花嫁さんを伴って契約に来た(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言622 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 記事で紹介した老婦人その後 敬愛していた姉のもとへ
こちらのコラム(「他社なら断ったであろう依頼」8月31日号)で紹介していた老婦人が亡くなった。確かに痩せてきてはいたし、食も細くなってはいたが、当面は急に亡くなることはないだろうと、包括支援センターの担(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言621 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 友人同士のルームシェア 半年で解消した理由は
当社管理のマンションに友人とのシェアで入居した女性がいる。入居したのは大学を卒業して就職するとき。大学の同級生で進路は分かれたが仲が良く、一緒に暮らせば経費も浮く、と考えたようだ。双方の親に二人とも(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言620 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 母親を介護していた入居者 人生はなんとも不平等
当社の入居者で、不幸を絵に描いたような女性がいる。3姉妹の長女で、母親と同居していて、下の妹2人はそれぞれに家庭を持って子供にも恵まれ幸せに暮らしているのだが、15年ほど前から母親が難病になり寝たきりに(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言619 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 見直した仲介会社の対応 「ADなし」でも快く
当社で入居者を募集していた風呂なし物件に問い合わせが入った。家賃は2万5000円である。手間は同じでも家賃が高ければ手にする仲介料は多くなるもの。その物件ではどんなに手間をかけても仲介料は2万7500円にしか(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言618 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 就寝前に電話で呼び出されて 衛生管理の意識は高いが
夕食と入浴の後で、うちの(妻)ととりためたビデオを消化していたら猛烈な睡魔が襲ってきた。うちのに「もう寝るわ」と言い、トイレに行って出てくると、「電話が鳴っていたよ」と言う。こんな時間に誰だろう。仕事(続く) -
617 他社なら断ったであろう依頼3 包括支援センターと連携
多分すぐにまた「おにぎりを買ってきてほしい」と頼んでくるだろうな、と思っていたら案の定、数日後に電話があった。前回は家主が行ってくれたのだが、毎度お願いすることはできない。これが当社から徒歩10分とか(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言616 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 他社なら断ったであろう依頼2 入居者に試されているのか
郵便局へのお使いを頼まれて、電車とバスを乗り継いで片道1時間もかけて高齢婦人のアパートまで行ったのだが、依頼はそれだけでは終わらなかった。2週間ほどして「おにぎりを買ってきてほしいの」との電話。聞けば(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言615 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 他社なら断ったであろう依頼1 部屋から一歩も出られない入居者
朝6時過ぎに携帯が鳴った。入居者である高齢婦人からだった。いつも4時起きだから別に構わないのだが、「坂口さん、頼まれてほしいことがあるんだけど…」と泣きそうな声で言う。「どうしたの?」と聞くと、「私の委(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言614 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 香港からの留学生 義理堅い対応に感動
店番をしていたら、ドアが開く気配。見ると若者が遠慮がちに立っていた。声を掛けると、「この辺に安い部屋、ありませんか」と聞く。イントネーションからして中国人だな、と思った。ならば相手にしたくない。いく(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言613 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 一等地のアパート売却依頼 数日後、ガッカリする展開に
親しくしているNPO法人の代表から電話があった。ある資産家が亡くなって、日頃からそのNPO法人の活動に賛同していたこともあって、遺言により、遺産の半分を贈与されることになった。その中に都内の一等地に建つ古(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言612 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 身勝手な入居者 毎月家賃の立て替えが発生
身勝手で感謝の心がない高齢の入居者(女性)がいる。何か依頼してきて対応しても「やってくれて当然」としか思っていないのが透けて見えているから、その入居者のために骨を折る気持ちになれない。知り合ったのは当(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言611 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 条件交渉で最低限守るべきこと 「ただ聞いただけ」は困る
賃貸の入居者募集で、最近は借り手市場ということもあって、広告を出している通りの内容で申し込みが入るとは限らなくなった。「礼金ゼロにならないか」とか「家賃が6万5000円になっているけれど6万円にならないか(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言610 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 なんでも気にし過ぎの入居者 簡単に管理会社を頼られても
定休日である水曜日の午後、携帯に電話が入った。掛けてきたのは隣町のアパートに一人で住む生活保護の若い女性。「今、ドアの前に誰かいるんですけど、どうしたらいいですか? ドアスコープからのぞいたら中学生(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言609 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 名前も電話番号もないメール 「信用できない」から一転
アットホームから私のスマホに「エンドユーザーから問い合わせが届いております」とのメールがあった。それによると「引っ越し先を探しています。今の住まいは会社契約で、会社を解雇されたので出ていかなければな(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言608 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 心の病を抱える入居者からの電話 本人の希望通りにするべきか
今から15年ほど前の話。当時賃借していた物件が老朽化していて立ち退くことになった老姉妹が、私が書いた本を読んで「絶対に次の部屋探しはこの不動産屋に」と決めて連絡をくださり、そのご縁で現在、当社管理の部(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言607 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 ゴミ出しルールを守れない入居者 専門業者に頼むと言うが
GWの休みに入ってからすぐ、あるアパートの住人からメールがあった。「アパートの敷地にゴミが散らかっていてすごいことになっているのですが…」とのこと。写真も添付してあり、見ると、確かにひどい。「分別もし(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言606 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 信用できないのは客か営業マンか 審査の緩い保証会社問われ
当社管理の家賃2万5000円のアパートに同業者から問い合わせが入ったのだが、いきなり「審査の緩い保証会社を知りませんかねえ」と聞く。ということは、客付け業者が「客の属性が悪い」と思っている、と分かる。私(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言605 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 夜中の騒音対応 ときには突き放すことも必要
夜中に、ある入居者から電話があった。「上の音がうるさい。真夜中に話し声やドタンゴットン音がする。注意してもらいたい」とのこと。だが、夜中に電話をして間違いだったらこちらが恨まれる。いや、たぶん間違い(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言604 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 騒音クレームへの対応 認知症で退去、一抹の寂しさ
うちの店の近くに連棟式の平屋の貸家がある。間取りは1Kで、家賃も高くないから2部屋とも生活保護の高齢者(男性と女性)が一人暮らしをしている。男性は、入居したときは自転車で出掛けたりして元気だったが、10年(続く)