不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜 記事一覧
不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜
賃貸業を営む坂口有吉さんが業務に役立つヒントをちりばめながら日常の出来事を綴ります。
人情深い坂口さんは、不動産業者に対する世間の評価が不当に低いこと受け、「日々の努力も知ってほしい」と、そんな願いを込めています。
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「不動産」より怖い職種、「最も審査を通したくない」
不動産賃貸の仕事をしていると、実にいろんな職種の人を相手にするものだが、私からすれば今後、絶対に審査を通したくない職種がある。 最近は見かけなくなったが、以前は広告に「水商売不可」と最初からうたって(続く) -
「許容範囲の個人差大きい」騒音問題の解決は難しい
近隣から入居者の出す騒音でクレームが入ることがある。簡単に注意するだけで気をつけてくれて解決するケースもあるが、多くの場合、一度や二度の注意で解決することはない。以前の記事でも書いているが、音に対す(続く) -
人を見抜く目を持つ職業、「判断誤れば死活問題」
あくまで私見だが、人を見る目が最も優れている職業は、街の高利貸しと技量に差はあるものだろうが企業の面接官だと思う。 就職難で、いくら学生たちが就活セミナーを受け、付け刃でそつなく受け答えをしたとして(続く) -
退去した高齢女性との長い付き合い、善行悪行の帳尻合わせ
7年ほど前、当社の管理物件に申し込みが入った。内容はデパート勤務の娘さんと母親での2人入居。審査の上では特に問題は無かったが、不安要素が一つだけあった。 まだ30代の娘さんが病気を持っていたのだ。病(続く) -
裁量持たずに立ち退き交渉、「譲歩しない家主」に不満
数年前、ある家主から、建て替えによる入居者の立ち退き交渉を依頼された。私にとってはそれが実に不愉快なものになった。以下はその顛末である。 建物は2世帯の連棟式テラスハウスで、片方は家主一家が片方は賃(続く) -
信用した同郷の後輩が家賃滞納 「入居審査に私情は禁物」
「審査に私情を挟むのは禁物だった」と言っても、好みのタイプの女性客の審査を甘くした、という話ではない。 店番をしていると、30歳前後の女性が来店した。「夫婦と子供2人、それにペットの犬がいるんだけど(続く) -
逆恨みした滞納者のその後 生活困窮、明日はわが身
欠かさず見ているテレビドラマ「相棒」で、身につまされるストーリーがあった。12月15日に放送されたもので、転落死した若い男が、最終的には自殺であった、という、今までの刑事モノとは一線を画した風変わり(続く) -
貸家並みのワンルーム賃料、不審生む賃料ギャップ
もう、ずいぶんと昔の話、私がこの業界に入りたての頃、青森から一橋大学に現役合格を果たした娘さんが来店した。都会の有名進学校から、ということなら珍しくもないが、地方の高校から一橋大学に現役で受かる、と(続く) -
入居者募集のADはやめるべき、負担するのはいつも借主
最近賃貸の広告を見ていると、よく「AD(担当者報奨金)1カ月」とか「AD50%」とかうたっているが、それは営業担当が喜ぶだけで、業界にとっては全く好ましいことではない、と思う。 いつの頃からか仲介料(続く) -
孤独なお婆ちゃんの危うい老後、買い替え続け資産は半分
小料理屋を営む70歳近いお婆ちゃんから、「マンションを売りたいから査定して欲しい」という依頼があった。 お婆ちゃんは未亡人で、現金で購入した新築未入居の広い3LDKに1人で暮らしていた。その部屋はマ(続く) -
「散らかす男性と汚す女性」入居者限定せずが正解
ある家主さんから「新築するアパートを、男性か女性のどちらかに限定して貸すことにしたい」との相談を受けた。 アパートはワンルーム6室という規模で、家主さんは「男と女の、どちらでも可にすると風紀が乱れる(続く) -
「原状回復費を踏み倒す親子」敷金返さずも被害は甚大
多摩郊外のアパートに、離婚したばかりの若い母親と男児、つまり母子家庭が入居することになった。元々がアパートの近所に実家があり、家主さんもよくご存知ということもあって、入居時の審査も簡単に通したのだが(続く) -
賃貸居住安定化法案は偏向法「善良な家主守る法案も」
日本の法律は、どうしてこうも人権に過敏に反応するのか。しかも、本当の弱者が誰なのか、最初から観点が狂っているように思う。今後、施行される見込みの「賃貸住宅居住安定法」(仮称)のことである。こんな法律(続く) -
「ゼロゼロで募集するのは自殺行為」消費者も公平にリスク負担を
最近の賃貸市場は「礼金ゼロ」なんてのは当たり前で、礼金も敷金も不要のいわゆるゼロゼロ物件が主流になりつつある。更に、大阪での更新料裁判の行方を気にするあまり、更新料もない物件も増えている。消費者にと(続く) -
「理解に苦しむ同業者の発言」入居者に『更新拒否』の入れ知恵
私のブログは、家主さんや入居者やお客さんもご覧になっていたりする。積極的にPRしているワケではないが、ま、発見されてしまうし本人には分かるから、自分が褒められている記事ならともかく、悪い例として書か(続く) -
「賃貸のネット検索方式に一工夫を」目にとまらない築古優良物件
最近、飛び込みで不動産会社を訪問する客が減っている。世の中が不景気だから、ではない。消費者が部屋探しをする場合、自らお店に出向いて「部屋を探してるんだけど」と依頼しないで、先ずPCで情報収集するから(続く) -
「法律に則って業務した結果」有名無実の賃貸仲介料折半
宅建業法に忠実に則って契約業務をこなすとどうなるか、という悲しいお話。ある日、若いカップルから当社の管理物件に申し込みが入って審査も通り、数日して契約しに来店した。宅建業法では仲介料は貸主と借主それぞ(続く) -
「お化けより怖い現代の怪談話」身近で起こる謎の変死
先日、足立区で、日本最高齢と思われていた男性が「実は30年前に死亡していた」というニュースがあった。一緒に暮らしていた家族が、年金などを死後も搾取するために死亡の事実を隠していた疑いがあって、警察が(続く) -
ケチな客と非常識な母親「家賃に金をかけたくない」
近々結婚するというカップルが部屋探しで来店した。彼女の実家に近い場所で、2DK、駐車場付き、築浅で予算は込み込み8万円迄という条件だが、正直、希望の条件ではかなり厳しかった。彼氏は自動車メーカーの正(続く) -
「子連れ再婚のため不動産屋を利用」申し込みのない物件案内
ある中年女性が「3DK以上の良い部屋を」と来店した。いくつか紹介したうちの1件を「子供たちに見せたいので明日、案内してほしい」とのことで、翌日、車で30分ほどの隣町の自宅まで迎えに行くと、小学校低学(続く)