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主要住宅メーカー7月受注金額速報 一部減少も回復変化なく 付加価値提案で1棟単価上昇続く

 主要住宅メーカーにおける7月の受注金額速報値がまとまった。前年同月は新型コロナで閉鎖していた住宅展示場が再開し、受注が回復しつつあった。そのため、「リバウンドがあった前年7月の受注金額の反動」(住友林業)があり、マイナスに転じた住宅メーカーも出ている。期首からの累計では各社共にプラスとなっており、1棟当たりの受注金額が上昇していることから、回復基調に変わりはない。

 積水ハウスは、プラスを維持し、19年7月との比較ではわずかにマイナスであるものの、引き続き受注が回復基調にあるとしている。戸建住宅は、19年7月との比較でもプラスで、ニューノーマル対応や空気質への提案により、受注は順調に回復。賃貸住宅もホテルなどの非住宅は依然として厳しいものの、3、4階建てが堅調で受注単価も上昇が続く。一方、郊外需要を取り込み回復してきた分譲住宅事業はマイナスに転じたが、基調としては回復に変化がないとした。

 大和ハウス工業は、一昨年ほどではないが徐々に回復していると見ている。戸建住宅は「快適ワークプレイス」などのニューノーマル提案が堅調で二桁増。集合住宅は、関東、愛知、関西でプラス、北関東でマイナスといった状況。大幅な伸びを示しているマンションは、モデルルームへの来場者数が前年同月比で50%増えていることなどが影響した。

 旭化成ホームズは、二桁増となり、過去2番目に高い受注金額だった。戸建、集合共にプラス。戸建は重量鉄骨2階建てが好調で、受注単価が上昇。集合は、「母力(ぼりき)」など高付加価値提案や法人経由の紹介案件の増加などで受注単価が上昇した。

 住友林業は、5カ月ぶりにマイナスに転じた。戸建注文住宅の受注は、前年同月の水準が高かったことで減少したが、コロナ禍以前の前々年同月とほぼ同水準の受注額。展示場来場者数は前年同月を下回ったが、ウェブ経由の資料請求数は前年同月を上回っている。また、1棟当たりの単価は、ZEH比率が過去最高だったこともあり、高水準に推移した。

 ミサワホームは、戸建住宅が引き続き好調で、特に注文住宅は19年7月と比較しても増加した。受注棟数が増えたことに加え、在宅時間の増加によるZEHなどの付加価値提案で受注単価がアップした。