総合

大言小語 住まいはパートナー

 大型連休が始まった。都会で働く現代人にとっては自然に接する貴重な機会だ。自分と対話する〝ひとり旅〟もいいだろう。ただ、車も電車もあの混雑ぶりを考えると、二の足を踏む。家の中で楽しく過ごすストレス解消法はないのだろうか。

 ▼単身世帯が増えている。既に、全世帯に占める割合は3割を超えている。35年頃には4割にも近づく。ということは人と住まいとの関係も大きく変わってくるはずだ。例えばファミリー世帯にとっては、家族間のコミュニケーションが間取りの重要なテーマとなる。しかし、単身世帯にとってはその必要がない。では、単身世帯の住まいはどうあるべきか、面白いテーマだ。

 ▼考えてみれば一人暮らしは自由で気まま。誰に気を使うこともなく、自分の趣味やスタイルを思い切り楽しむことができる。そこで住まいを〝箱〟ではなく、〝気の合う相棒〟と捉えてみたらどうだろうか。

 ▼最近、分譲でも賃貸でも単身者向けのコンセプトマンションを開発するディベロッパーが多い。マンションでも、DIYを思い切り楽しめる広い土間や、限られた面積でも料理しやすいL字型キッチン、自分を磨くための専用ルームなどのアイデアは、住まいをパートナーとする発想の萌芽だと思う。そうした、自分にとって友達のような住まいなら大型連休も〝自分流〟になる。