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大言小語 閉鎖相次ぐキュレーション

 キュレーションメディアと呼ばれる、ウェブ上の記事サイトの閉鎖が相次いでいる。DeNAが全面的に閉鎖したほか、リクルートやヤフーもグループ会社の記事コーナーの掲載を見合わせている。

 ▼昨今、必要な記事情報を容易にしかも効率的に集められるウェブメディアとして、キュレーションサイトは日本でも利用者が増え、サイトも増加傾向にある。情報量の膨大さがネットの良さでもあるが、その中から必要かつ的確な情報を見極め、探し集めるのはユーザーにとって骨の折れる作業だ。ある特定のカテゴリーの記事を読みたい、知りたいというユーザーの利便性を高めたことで、公共性の高い一つのメディアとして広がりを見せた。しかし、記事には誤解を招く情報や、真偽が確認できない情報が一部に含まれていたとされ、今回の事態を招いている。

 ▼住宅・不動産業界にとっても、対岸の火事では済まされない。物件のおとり広告がネットの普及により増加傾向にあるためだ。サイト運営側の問題というよりも、情報の発信元である不動産業者の責任は重く、公取がそうした業者の広告掲載を排除するという厳しい措置が取られている。ウェブに限ったことではないが、小さな誤った情報が一つでもまぎれていると、信頼の失墜はもとより、全てを機能停止に陥らせる可能性があることを、利用者は自覚しなくてはならない。