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大言小語 変わる? 甲子園

 全国のほとんどの地域で梅雨明けした。梅雨時には各地でゲリラ豪雨が起こり、長野県南木曽町では土砂災害により死者もでた。明けたら途端に猛暑続き。熱中症情報が出されるなど相変わらず日本の天気は〝タフ〟だ。

 ▼そんなタフな日本の夏の楽しみに高校野球がある。真っ黒に日焼けした球児たちの筋書きのないドラマ、と定型句のように書いたが、どうやら事情は変わり、将来的な構想として、延長戦にタイ・ブレーク方式を導入しようという意見が出たという。酷暑の中、延長戦による球児の疲弊を防ぐ狙いと投手の肩を投げすぎから守るものだ。

 ▼タイ・ブレークとは、ランナーを置いた形からイニングを開始するもの。延長戦で導入され、勝負が早くつく。「延長こそ、高校野球の華」「相手だけでなく、暑さに勝つことが教育」などと言った意見もある半面、若いプロ野球選手や指導者には、「昔の暑さとは違う」「試合中の水分補給など昔の野球にも誤りがある」として、認める人が多いようだ。

 ▼最近は、家の中でも熱中症になる人が多くなった。エアコン嫌いの高齢者だけでなく、働き盛りや若い世代でもなるという。これからの住宅については、省エネしながらも、暑さから人をどう守るかという視点が必要だろう。将来、甲子園でなく、ドーム球場で行われる高校野球を見る日が来ないように望むばかりだ。