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大言小語 2020年、世界に感謝

 例年にない人出で新年会が盛会だ。新政権への期待、選挙、新都知事の誕生、円安と株高、そして消費増税の負担軽減など話題も豊富だ。そうした中ふと目についたのが、多くの来賓客や来場者の胸につけられた「オリンピック、パラリンピック」東京招致をアピールするバッチだ。新都知事自らロンドンに乗り込んで実行計画書をIOCに提出するなど、リオデジャネイロに競り負けた都の意気込みは前回に勝るものがある。

 ▼それ以上に国民の指示の高まりも感じられる。東京都宅建協会の新年会では、東京招致の署名活動が繰り広げられ、8万5000超の署名が集まったとのトップのあいさつも聞かれた。4年前は国民の支持の低さがウィークポイントとなったが、東日本大震災を乗り越えて日本の再生を願う多くの人の気持ちがひとつの方向にまとまりかけている表れだととらえたい。

 ▼東京と招致合戦を繰り広げているのは、マドリッドとイスタンブール。どちらも歴史や文化など東京のそれに見劣りしない有名都市だ。国民挙げての招致の機運の高まりが、この2都市の魅力を上回る力になる。開催地は9月7日に決定する。昭和39年の東京開催を知らない若い世代も多い。実現すれば半世紀ぶりの東京五輪となる。2020年を、現実のものとなっているであろう日本の再生と震災の復興を世界に感謝する年にしたい。