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悪徳不動産屋の独り言 第143回 決まるものも決まらない顧客の希望 響く怒鳴り声、契約は不調に 万事休す

 これから結婚する、という若いカップルが来店した。礼儀正しくてなかなか感じが良い。予算は厳しいが、立川駅からの徒歩圏で2部屋を希望していた。無いワケではないが、紹介できる物件の数は少ない。そのうちの1件に、古いけど予算から考えればそこそこ、という物件があって、見てもらうことになった。

 たった1件の物件だけ見せて決めてもらうのは不本意だが、現状ベストの物件ではあった。予算があれば好きな物件を選んでもらうことが可能だが、予算が少ないケースでは、「お客さんの希望条件に合わせて物件を探していた」なら、決まるものも決まらない。その場合は「お客さんの希望を物件に合わせていく」ことになる。言うのは簡単だが難しい。

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