不動産開発・リノベーション事業などを手掛けるジェクトワン(東京都渋谷区)の空き家解決サービス「アキサポ」が、第5回日本サービス大賞で国土交通大臣賞を受賞した。同賞は、革新的で社会的価値の高いサービスを表彰する制度で、空き家分野での受賞は注目される。
「アキサポ」は2016年に開始された空き家解決サービスで、空き家所有者が抱える管理負担や改修費用の問題に対し、活用・買取など複数の選択肢を提示するもの。中でも高く評価されたのが、所有者から空き家を定期借家契約で借り受け、ジェクトワンが基本費用を負担してリノベーションを実施し、一定期間転貸する「活用」モデルだ。
この仕組みにより、すぐに売却したくないが維持管理が難しい所有者の課題を解決すると共に、住宅だけでなく店舗、シェアハウス、コミュニティスペースなど多様な用途への転用が可能となる。結果として、地域に新たな人の流れや活動を生み出し、地域活性化にも寄与してきた点が評価された。
また、解体や売却に依存しない空き家活用モデルとして、地方都市や観光地など全国への展開可能性が高い点も受賞理由の一つとされた。代表取締役の大河幹男氏は「空き家の価値を再定義し、地域にとって最適な形へ導くことが使命」と述べ、今後も不動産の潜在力を引き出す取り組みを進める考えを示している。




