総合

契約業務を一気通貫にデジタル最適化する方法とは 鈴与・サイオス

 「鈴与の契約書管理システム」を提供する総合物流業の鈴与(静岡市清水区)と、クラウド型ワークフローシステム「Gluegent Flow」を提供するサイオステクノロジー(東京都港区)は、セミナー「契約業務システムの検討ポイント・社内稟議システム編、契約書管理編」をオンラインで共催した。

 契約書に関わる社内稟議からレビュー(内容の精査)、決済承認、締結、その管理・活用に至る一連の手続きを一気通貫にデジタル化し、法務リスクを低減しつつ、情報の集約化や一元管理で契約業務をDX化する最適な方法を解説した。

 サイオステクノロジー・Gluegent Flowプロダクトマネージャの松本明丈氏は、「契約事故の発注者側の事例として、正しく稟議を通さずに決済前に契約を締結したケースでは、結局、受注者側に支払いができなった。対策としては、形骸化している押印業務を適正にして社内規程・稟議を徹底すること。一方で、受注者側の事例では、発注者が正式に発注した意識はないが、口約束だけで受託したと早合点してしまい、これも支払いができなかった。この背景には契約業務の認識不足がある」と紹介した。

 これらの防止策としては、「稟議や決済の業務フローを仕組み化することが重要。活用するだけでその仕組み化ができる最新テクノロジーを生かした社内稟議システムの導入運用が有効で、デジタル化によって容易に検索や管理が行え、活用までの幅が広がる」と説明した。その際に有用なツールとして、同社提供の「Gluegent Flow」を紹介した。

 鈴与・データソリューション事業部次長の櫻井裕司氏は、「企業各社では現在、契約情報の分文化や、アナログ管理による検索性の低さ、賃貸借契約などの更新時期が分からず、契約台帳の管理も煩雑で不徹底な状況がある」と指摘した。

 その改善策として、「契約書管理システムの導入運用でデジタル管理することで、それらの課題感を解消できる。例えば、アナログ管理では、賃貸借契約の更新時期自体は判明しても、契約更新の案内はその期限前に通知する必要があり、デジタル管理を行えば、更新期限に至る前の段階で時期が判明し、契約更新業務の手間や負担を軽減できる。

 また、ほかのIT化サービスと連携することで、手作業では手間となっていた転記などの情報の再入力自体がなくなる。契約台帳のデータ管理によって、経年によるリフォームなどの提案を行いやすくなる。当社サービスは、電子契約機能は弁護士ドットコム(東京都港区)提供のクラウドサインⓇと、契約書レビュー機能は、FRAIM(東京都渋谷区)提供のLAWGUE(ローグ)と連携している。契約書の内容の検討から締結、管理までを最適化できる」説明した。その際に有用なツールとして、同社提供の「鈴与の契約書管理システム」を紹介した。