マンション・開発・経営

赤プリ旧館保存へ 再開発工事で44メートル移設

 東京都千代田区の旧グランドプリンスホテル赤坂跡地で、「オフィス・ホテル棟」と「賃貸住宅棟」の2棟を建設する再開発事業が進んでいる。1930年に竣工した旧館を保存・利活用して行うもので、そのための旧館移設作業(曵家工事)がこのほど、報道陣に公開された。
 移設作業は、11月11日~19日まで行われる。鉄筋コンクリート造(一部木造)地上2階建て、約5000トンの建物をジャッキアップしたうえで、レールと移動台車を使って移動させる。1日に約6メートル、計44メートルをゆっくりと動かす。今回の曳家は再開発工事の進捗に伴う一時的なもので、来夏には元の位置近くの最終的な計画地に再度移設して保存するという。
 旧グランドプリンスホテル赤坂旧館は、朝鮮王家の邸宅として1930年に竣工した。戦後、西武鉄道の所有になり、1955年には客室数31室で赤坂プリンスホテルとして開業。2011年に営業終了と共に休館になっており、同年東京都の有形文化財として指定された。