不動産取引現場での意外な誤解 記事一覧
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不動産現場での意外な誤解 売買編152 所有者不明土地に関する民法の改正内容は?
Q 所有者不明土地に関して具体的に伺いたいと思います。まず、民法の改正内容です。 A 民法については、専ら「利用の円滑化」という観点からの改正が中心で、具体的には、主として現行の相隣関係の規定(209条(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編151 所有者不明土地に関する民事法制の見直しとは?
Q 所有者不明土地については、すでに特措法が成立し、対策がとられているようですが、それらの対策を更に進めるための民事法制の見直しに関する法律が先の通常国会で成立したと聞きました。その内容について知り(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編150 解約予告期間中に次の借主が決まったら?
Q 店舗の解約などで、借主からの解約予告期間中に次の借主が決まることがあります。このような場合に、借主が原状回復を済ませたときは、貸主に対し、約定によって支払っている前払賃料などの返還を求めることは(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編149 借主が即時解約できるという特約の意味は?
Q 建物賃貸借契約における解約申し入れについては、店舗・事務所など業務用は、借主からの解約申し入れであっても「6カ月」前というようなかなり長い予告期間を設けることが多いようですが、その一番の理由はどこ(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編148 貸主からの解約予告の期間の定めは無効?
Q 店舗などの業務用の建物賃貸借契約においては、借主からの解約予告期間を「6カ月」程度とすることがあり、居住用の予告期間「1~2カ月」程度とはかなりの差がありますが、これは問題にならないのでしょうか。(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編147 古い建物であれば、更新なしの契約ができる?
Q 前回、建物の老朽化が原因の場合は立退料なしの明け渡しが認められることがあると書いてありました。ということは、建物が古い場合には、最初から更新なしの契約を締結することも可能ということでしょうか。 (続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編146 立退料なしに明渡しが認められることがある? 建物の老朽化や土地の有効利用等による建て替えの場合にはあり得ます
Q 建物賃貸借契約で、建物の建て替えを理由に貸主が借主に対し建物の明け渡しを求めることがありますが、この場合、立退料さえ支払えば正当事由が認められるということをよく聞きます。これは本当でしょうか。(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編145 自動更新の拒絶通知期限に遅れてしまったら?
Q 建物賃貸借契約で自動更新条項が定められている場合に、借主が自動更新の拒絶通知を失念したり、通知が遅れてしまうことがあります。このような場合、契約はどうなるのでしょうか。 A 契約は自動更新条項に(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編144 解約権留保特約がなくても中途解約ができる?
Q 前回、「期間の定めのある」賃貸借の場合には、借主であっても中途解約ができないという根拠条文として、民法617条・618条の規定が挙げられていましたが、これらの規定についての裁判所の見解などはないのです(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編143 借主でも自由に中途解約ができない法的根拠は?
Q 建物賃貸借契約においては、貸主からの解約申し入れや更新拒絶には「正当事由」が必要とされていますが、借主からの解約申し入れや更新の拒絶は自由にできるのでしょうか。 A 自由にはできません。なぜなら(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編142 借地借家法26条1項の期間前に更新拒絶できる?
Q 前回、貸主から更新を拒絶する場合の事前通知の話が出ていましたが、この通知は、必ず期間満了の「1年前から6カ月前までの間」にしなければならないのでしょうか。例えば、「1年より前」にしたらどうなるのでし(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編141 自動更新条項があっても貸主は更新拒絶できる?
Q 建物賃貸借契約書に次のような3カ月前予告の自動更新条項が定められている場合、貸主から契約の更新を拒絶するにはどのようにしたらよいでしょうか。 「当事者が期間満了の3カ月前までに相手方に対し契約を更(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編150 不動産の買取仲介における仮登記の移転とは?
Q 前回、二重売買を防止するための仮登記の例として、所有権移転請求権仮登記(2号仮登記)が取り上げられていましたが、その所有権移転請求権を移転する仮登記、あるいはその移転請求権を更に移転する請求権の仮登(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編149 不動産売買で仮登記を付ける本当の意味は?
Q 前回、現行の取引慣行である「手付金・残金」という代金支払方法をとった場合には「手付金リスク」があるということでしたが、それは手付金を「解約手付」として授受するからですよね。 A その通りです。(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編148 不動産売買での「手付金リスク」は防げるか?
Q 前回は「仮登記」についてのかなり専門的な話が出ましたが、仮登記というのは、そんなに簡単に登記できるのですか。 A 簡単というわけではありませんが、前回紹介した地面師事件においては、所有者の印鑑証(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編147 仮登記がもつ順位保全の効力は悪用される?
Q 今日は、「仮登記」の話を伺いたいのですが。 A 何かありましたか。 Q 実は、以前に住宅新報が主催した地面師事件のセミナーで、地面師グループが「仮登記」を多用し買主を安心させる手口が紹介さ(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編146 日本国憲法の施行に伴う応急措置法とは?
Q 所有者不明土地に関する所有者探しの問題点を追求していけばいくほど、新旧両民法の相続のしくみが重要になってくるわけですが、ここまでの説明でかなり分かったような気がします。 A 確かに、旧民法下にお(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編145 旧民法下の遺産相続は新民法下の相続と同じ?
Q 以前のこの〔売買編〕のコーナーに、旧民法下においては、家督相続以外に「遺産相続」という制度があったと書いてありましたよね。 A その通りです。当時は、戸主以外の家族にも財産の特有が認められており(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編144 胎児も家督相続人になれたのか?
Q 前回まで、旧民法時代の家督相続人の話をしていただきましたが、女性も家督相続人になれたというのには少し驚きました。 A 確かにそう思うかも知れませんが、それは、やはり当時は「家」の存続ということを(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編143 家督相続は戸主の死亡以外にも生じるか?
Q 旧民法下の家督相続は、やはり戸主の死亡がその開始原因ですよね。 A そればかりではありませんが、戸主の死亡がその1つであることはその通りです(旧民法964条1号)。そして、その死亡には自然死亡のほか、失(続く)