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東京建物、サステナブルなまちづくり、情報発信を強化 新プロジェクトで周囲巻き込み

 東京建物は、サステナブルなまちづくりに対する情報発信機能を強化する。新プロジェクト「DO for Sustainability.with 東京建物」を始動。9月22日、アーティストのAIさんを「サステナビリティパートナー」に迎え、同プロジェクトのコンセプトムービーを公開したほか、今後はAIさんと共に様々な企画を展開する。同社の野村均社長は「考えや取り組みの発信を強化し、新たなプロジェクトを開始した。(新プロジェクト名は)一緒にまちづくりをしていただく方々との合言葉になれば」と話した。

 新プロジェクトでは、企業姿勢や事業を通じた社会課題の解決などサステナブルなまちづくりについて、特設サイトを中心に情報を発信。発信の強化と共に事業を通じた取り組みを発信し、関連する企画を展開していく予定だ。同社は従来から事業を通じたサステナブルな取り組みを行ってきたが「今回のプロジェクトで発信を重視し、周りを巻き込んでいきたい。そのためにAIさんは最適と判断した。自らを促す意味で、情報発信することで活動を強化したい」(野村社長)と言う。

 これまでの具体的な取り組みとして、八重洲・日本橋・京橋(八日京)エリアにおいては、複数の大規模再開発と共に、既存ビルにおいて様々な実験を行い、国際都市東京の発展に貢献するまちづくりを進める。

 25年に竣工予定の「八重洲プロジェクト」(東京駅前八重洲一丁目東地区市街地再開発)では、東京駅の正面に位置し、陸の玄関口にふさわしい高度な都市機能を集積すると共に、歴史と伝統を未来につなぐにぎわいを形成するとした。日本橋川に面した「呉服橋プロジェクト」(八重洲一丁目北地区市街地再開発事業)では、高度金融拠点を形成する。

 八日京エリアは、ビジネス、アート、食が集積したエリア特性を生かし、大企業とスタートアップ企業を結び付けるイノベーションエコシステムの形成に着手している。「シティラボ東京」など、社会課題・経営課題の解決やエリア特性のアップデートを行う施設を整備。「まちと自社事業のサステナブルな発展を目指す」(野村社長)とした。

渋谷で次世代人材育成

 東京・池袋では、日本初となる豊島区本庁舎一体超高層マンション「Brillia Tower 池袋」や、旧区庁舎の跡地を再開発した大規模複合施設「Hareza 池袋」を挙げた。

 「Hareza 池袋」は8つの劇場を有し、豊島区の「国際アート・カルチャー都市」構想に寄与するプロジェクトとして実施。文化などを世界に発信できる新拠点として整備した。

 渋谷エリアでは、「渋谷二丁目プロジェクト」において回遊性を向上させる都市基盤の整備に加え、国際基準の宿泊施設などが入居する予定だ。また、次世代イノベーションを担うSTEAM人材育成拠点を整備する。分野横断型の人材育成とコミュニティ形成を支援し、先行して、同じエリア内にある同社が保有する既存ビル「VEIL渋谷」で、イベントなどの活動を開始した。