ど素人から金持ち大家さんになった人々

第2回 1年半で都心の区分マンション10戸を買えた理由

金太郎さんのプロフィール
1974年生まれ、東京都在住、出版社勤務のサラリーマン
2008年に不動産投資を始め、約1年半で10戸を購入
年間家賃収入約900万円、年間手取収入約360万円(ローン・管理費等・固定資産税控除後)

――不動産投資をはじめると、税金的に優遇される事業的規模(5棟10室)という目標ができると思いますが、当初から事業的規模というお考えがあったのでしょうか? 

金太郎さん
もちろん、事業的規模にしたいという気持ちはありました。でも、それは遠い将来の話で10年後くらいを目処にしていたんです。自分でもこんなに早く達成できるなんて意外でした。 

――1年半で区分マンション10戸というのは早いペースですよね。購入の経緯をお聞かせ下さい。 

金太郎さん
最初は、知識もスキルも少なかったこともあり、築浅で低利ローンの融資を受けやすい物件を買いました。最初の3戸は2001年築、2004年築と新しく、金利も1%~2%台で融資を受けています。物件の利回りは6%~10%くらいです。 

――なるほど。最初に、融資や客付けに苦労しない物件を購入すると、成功体験と経験を積むことができますね。ただ、築浅だと利回りが低く、ローンの返済に時間がかかりそうです。 

金太郎さん
そうなんです。最初の築浅3戸分では、手元に沢山のキャッシュフローは残りません。サラリーマンとしての融資与信枠の限界もあり、この後、現金で2戸、利回り15%程度の物件を買いました。価格は500~600万円、築年数は20~25年です。代々木上原駅、二子玉川駅と立地はこだわりました。 

――現金購入の物件があると、収入が安定しますよね。 

金太郎さん
その通りです。そして、次の2戸は、自宅を共同担保にいれて購入しました。今までは自宅のローンが与信枠の関係でマイナスになっていたのですが、このときばかりは自宅を買って良かったと思いました。 

――ローンのある自宅の有効活用ですね。でも、ローン金利が高くないですか? 

金太郎さん
4%台と高めです。でも、物件自体の利回りも13%~15%と高く、総額が2戸で1,000万円程度でしたので、気になりませんでした。 

――なるほど。バランスが良いですね。でも、このあたりで与信枠を使い果てしまったのでは?

金太郎さん
そうなんです。ですから、しばらくの間、購入は控え、返済フェーズとして自己資金強化をするつもりでいました。でも、すぐに気になる物件を3つも見つけてしまいました(笑)。それで、まとめて融資をしてくれる銀行を探したのですが、自分では見つけられず、物件を紹介してくれた不動産会社の社長にアレンジをお願いしたんです。

――不動産会社はそれぞれ懇意にしている銀行がありますから、誠意をもって相談すると、力になってくれることがありますよね。 

金太郎さん
ここの社長さんが動いてくれたおかげで、3戸全部にローンが付きました。そのとき、自宅を共同担保にいれて購入した物件2戸のローンを、その銀行に借り換えることを条件として出されました。 

――すごいですね~。ではこの銀行からは、5物件のローンを借りている事になるのですね。 

金太郎さん
はい。しかも、借り替えたことにより、自宅の共同担保分が外れ、借換分に優遇金利が適用されて、金利が3%半ばまで下がるというおまけ付き。万々歳です!

――ラッキーでしたね。融資をうまく活用することで、短期間で10戸の区分所有物件を買えたわけですね。

金太郎さん
そうですね。やはり、このスピードで購入するには、自宅を共同担保に入れたり、それなりに金利の高いローンを使ったりしないと、難しいと思います。そういう意味で、ローン金利の順番は大事ですよ。最初は、低金利の金融機関から借りた方が良いと思います。金利が低い銀行は融資難易度が高いので、与信枠の傷が浅いうちに借りるべきですね。 

――勉強になります。次に、不動産投資をしてよかったこと、悪かったことをお聞きせ下さい。 

金太郎さん
よかったことは、本業以外の収入ルートができて、将来への安心感が増えたことです。奥さんからも、「今から将来の準備をしてくれてありがとう♥」と感謝されています。 

――それは素敵ですね。 

金太郎さん
あとは、趣味が増えました。色々な街に行って、商店街を見て歩くのが楽しくて仕方ありません。高級住宅街に自宅は持てなくても、中古ワンルームなら購入できます。所有物件の前を歩くとニンマリしてしまいます。 

――ちなみに、株式やFXなどもされていらっしゃいますか? 

金太郎さん
はい。株を所有していると、経済に敏感になりますよね。ある程度のリスクを背負う事で世の中に敏感でいられるのは悪いことではないと思っています。 FXは年に1~2回だけ、参入します。相場が大きく動き、戻す時だけ参入するので、ほぼ100%儲かります。 

――賢い戦法ですね。では、不動産投資をしてみて、よくなかったことはどうでしょうか? 

金太郎さん
それが、ほとんどないんです。退去があっても家賃を下げたり、特段のリフォームをしたりしなくても、入居が決まりますし。そこはやはり、立地の強さだと思います。 

――お風呂・トイレ・洗面所が一緒の3点ユニットタイプの物件や、洗濯機置き場がない物件、1Fの物件もあるそうですが、客付けで苦戦することはありませんか? 

金太郎さん
今のところ、大丈夫です。僕はターゲットを男性にしていて、実際、8割が男性の入居者です。お風呂については自分も昔、気にしていませんでしたし、シャワーだけの人もいます。実は勉強も兼ねて、1戸だけ自主管理しているんですが、連絡もほとんどなく、本業に差し障るような負担もありません。 

――10戸もあれば色々とありそうですが、そうでもないのですね。

金太郎さん
しいて言えば、不動産投資について勉強したことで、いい買い物だと思っていた自宅が、利回りでは5%程度の価値しかないとわかってしまったことでしょうか。自宅なので評価基準は違いますが、やっぱり悔しいですね。 

――ここまで順調なのは、上手に収益物件を選ばれている証拠ですね。ではここで、区分マンションで事業的規模を達成したい方に向けて、アドバイスをお願いします。 

金太郎さん
僕は、次の6つの内容に気をつけて物件を購入してきました。

第1条 
利回り以上に物件選び(好立地・賃貸需要・建物の管理状況)が大事です。利回りが高い、価格が安いで買うと苦労するような気がします。人が住みたい場所に買うことが大切です。 

第2条 
キャッシュフローを重視しています。そのために、最初は安く買い、低い金利で、長期間の融資を受けられるようにしました。自己資金は、繰上げ返済や次の物件購入資金に残すのが賢いやり方だと思います。 

第3条 
現金買いを加えると、ローン残高を気にせずに躊躇なく売れますし、キャッシュフローが安定します。 

第4条 
非公開物件ばかり求める人がいますが、公開物件でも自分の考える価格に指値をすればよく、実際、売値で購入した物件はありません。要は安く買うことが大事です。 

第5条 
本業に励み、貯金して、自己資金をためることです。都会に住むなら、車はなくてもよいのではないでしょうか。不動産投資を始めると、無駄使いに敏感になります。 

第6条 
無理はせず、1戸買って、楽しくないようならやめたほうがいいかもしれません。そのためにも、まずは売れる物件を買うことだと思います。 

――なるほど。儲かるかという視点とは別に、不動産投資をすることで自分が楽しいか? という視点は大事かもしれませんね。最後に、今後の目標についてお聞かせ下さい。 

金太郎さん
急拡大したので、次は返済フェーズとして、自己資金強化につとめます。事業的規模になったので、来年はしっかり青色申告して節税します。 

――他にはどうですか?

金太郎さん
実は、不動産投資セミナーに参加したことがなく、ここまで独学でやってきたので、ほとんど不動産投資の友達がいないのです。本業の職場では不動産投資話はできないので、区分投資の仲間を増やしたいです。 

――セミナーに参加せず、ここまでできるという調査力・行動力はすばらしいですね。 

金太郎さん
あとは、宅建の資格を取得したいと考えています。資格を使う・使わないは別にして、法制面を理解することはリスクコントロールにつながると思います。また、いずれは、都内の好きなエリアで一棟物件も購入したいですね。 

――金太郎さんなら達成できると思います。本日はありがとうございました。 

前編:第1回 将来不安に備えて、都心の区分マンション投資をスタート


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