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不動産DXフェス 不動産DXへの道筋示す デジタル化で業務変革を 

 不動産業務で最新テクノロジーの活用が始まり、不動産業界として〝DX〟の入り口に差し掛かってきた。不動産DXに向けた道筋を示すべく、不動産会社向けイベント『不動産DXフェス2022/Summer-DXに触れる、学ぶ、考える-』が8月25日と26日に開催された。住宅新報が主催した。

 司会進行の木村圭志氏(不動産コンサルタント)は、「業務のデジタル化が加速するがそもそもDXとは、売り上げにつながるのかなど、皆さんの疑問に応えたい」と開催の趣旨を説明。基調講演で国土交通省不動産・建設経済局不動産業課長の三浦逸広氏は、「デジタル化ツールが比較的に抵抗感なく利用され、不動産業務の電子化の更なる進展で顧客サービスが向上すると期待している」と展望した。

 続いて、サービス提供企業各社がテーマごとに講演。不動産購入・売却体験の最適化について、針山昌幸氏(Housmart)は、「追客の自動化は中長期的な顧客フォローを叶えて、蓄積データの解析で最適なアプローチができる。いかに接点の密度を上げるかが鍵になる」として、それを実現する同社提供の売買仲介向け営業システム『プロポクラウド』を紹介した。

 本人確認業務のオンライン化で、千葉孝浩氏(TRUSTDOCK)は、「電子契約や内見、宿泊などに活用が広がっている。リスクの強度に応じた確認方法の組み合わせで、事業者と顧客の双方に使いやすくなる」として、同社提供のeKYCシステム『トラストドック』を紹介した。

 電子契約で、稲葉誠人氏(弁護士ドットコム)は、「契約業務の効率化で創出した時間をほかの業務に充てれば、生産性が向上して顧客満足が高まり、選ばれる企業になる」と、同社提供の電子契約サービス『クラウドサイン』を紹介。クラウドサインの電子契約機能を活用した不動産売買特化型電子契約・契約書管理サービス『レリーズ』を提供する和田浩明氏(GOGEN)は、「顧客側が求めている社会環境になり、デジタルな顧客接点づくりを考える機会になっている」と説明した。

 領収書・請求書の電子化で、滝澤幸憲氏(ラクス)は、「バックオフィスは直接には利益を生み出さないものの、その効率化は全社に影響し、企業を成長させる」と、同社提供の経費精算システム『楽楽精算』を紹介した。

 買主集客の新戦略で、齋藤和樹氏(Speee)は、「情報が飽和状態で希薄化した物件情報の力でなく、いかに課題を解消できるのかの〝人〟の力の差別化が始まった。従来の受け身から、攻めのアプローチを選ぶ傾向が強まった」と、それを叶える同社提供の完全会員制の家探しサイト『ハウシー』を紹介した。

 パネルディスカッションでは、仲介現場の視点で、林和男氏(イーナリンク)、松尾隆史氏(朝日リビング)、榎本佳納子氏(イーエム・ラボ)が登壇した。各氏の発言の要旨として、「デジタルな環境で顧客との距離が近くなった分、相手の気持ちをいかにつかむのか、人ならではの要素を大事にするようになった」とデジタル化のメリットを強調した。なお、2日目の開催の様子は次号で掲載する。