マンション・開発・経営 住まい・暮らし・文化 売買仲介

アドバンスト・メディア  音声でデータ入力可能 建物・設備点検業務などで

 音声認識技術を活用したサービスを提供するアドバンスト・メディア(東京都豊島区)は、建設・不動産業界などで使われてきた同社サービスを幅広い業種・業態にも対応させた新サービス『AmiVoice スーパーボイスエントリー for Excel』として、提供を始めた。手書きや手入力の手間がなく〝音声〟だけで、建物や設備の点検、検査業務などの報告記録を表計算ソフト上で行える。

 対話型AI(人工知能)音声入力形式によって現場作業のデータ入力を効率化する。マイクロソフト製のExcel(表計算ソフト)に搭載された他社ソフトを組み込める「アドイン機能」を活用し、同社の音声認識技術を組み込んだ。データ入力方法を「音声」に変えるだけで、報告業務で多い表計算ソフトを使う作業の流れをそのままに運用できる。音声の入力形式のため、点検作業をしながらデータの入力ができる〝ハンズフリー〟と、入力画面を見ずに作業を続けられる〝アイズフリー〟を実現して、点検や検査などの業務の効率化と生産性の向上に期待できる。

 データ入力に際しては、点検者が自身の首元などに下げた指向性マイクに話しかけ、表計算ソフトの機械の合成音声でそれを復唱して内容を確認する。基準値を超えたデータを入力した場合には、機械音声で注意喚起するアラート通知も行うなど〝対話〟をしながら入力作業を行える。

 同サービスを導入する場合は、企業各社がどの帳票の表計算ソフトで、どのような順序、項目を対象に日時や数値などのデータを入力するのかを事前にプログラミング設定した上で、同社が納品する。各業界特有の専門用語や略語も機械側で認識し、簡便に音声で入力できるようにする。

 7月に開いた報道機関向け発表会で、同社ビジネス開発センター営業推進部長の藤枝章氏は、「現状では、現場で点検結果を紙に記入し、事務所に戻ってからそのデータを入力している業務が少なくない。その二度手間をなくす。転記に伴う誤記を防ぎ、データの正確性を担保する」と導入のメリットを説明した。