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大言小語 計画修繕セミナー始まる

 コロナウイルス感染拡大を受け、昨年度は急きょオンライン配信に変更して実施された国交省補助事業となる無料セミナー「賃貸住宅の計画修繕推進セミナー」が今週1月21日から2月28日までインターネット配信される。今回は国交省担当官の講演とリフォーム・リノベーションによるバリューアップ事例の解説も加わり、ボリュームアップされたプログラムになっている。

 ▼近年、賃貸住宅を巡っては老朽化に起因する事故やトラブルが多発しており、入居者が被害を被るケースも発生している。それらを未然に防ぐと共に、賃貸経営の健全化に向けて、適切な維持管理、計画修繕の運用、定期的な点検、修繕費確保の重要性が増しているが、これらへの意識が低い個人家主が一部に存在していることが調査結果からも明らかになっている。老朽化が進むほど、追加負担として捉えて避けたがる個人家主も多く存在しているとの指摘もある。

 ▼昨年は東京近郊で業者の施工不良によりアパートの外階段が崩落し、入居者が死亡するという痛ましい事故が起きた。事故を受け、同じ施工業者が関与した他の物件も現地調査したところ、複数の物件で危険性が見つかったという。賃貸住宅管理業者には積極的にオーナーに点検と計画修繕を働きかけていくことが求められる。その入り口として、この「賃貸住宅の計画修繕推進セミナー」をオーナーに広く知らしめてもらいたい。