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森トラが新オフィスビジョン 3要素でワーカー引きつけ  多様な交流生むイノベ拠点も

 森トラストは、新オフィスビジョンを策定した。今後、同ビジョンを踏まえて、オフィスづくりの自由度を高め、ワーカーを引きつけるオフィスの実現を支援する。同社は20年に「東京ワールドゲート」(東京都港区虎ノ門4丁目)を竣工。独自の内装引き渡し基準で自由な内装デザインを実現する「クリエイティブフロア」を展開し、今月には地域に開かれた共用施設としてクリエイティブラウンジを開業する。

 同ビジョン「DESTINATION OFFICE(デスティネーションオフィス)」は、ワーカーを引きつける要素として(1)ENERGY、(2)SYNERGY、(3)COZYの3つを挙げる。(1)は互いの熱量を高め、伝播(でんぱ)し増幅させることで組織を活性化させる場所であることを指し、従来から重視されてきた。社会が変化し、(2)(コミュニケーションや文化の発信を通して、共感や一体感を育み、共創を推進する場所)、(3)(居心地のよさと適度な刺激によって、心身共に満たされ、自分らしくいられる場所)の要素も注目されるようになった。

 同社は、ニーズが多様化する中で、今後も3要素はテナントなどに支持され続けると見ている。

 東京ワールドゲートの2階に1月17日にオープンするのは、クリエイティブラウンジ「TOKYO WORLD GATE CoCo Lounge(トーキョー・ワールドゲート・ココ・ラウンジ)」。LINEで登録すれば誰でも無料で利用可能で、地域に開放されたラウンジや水辺テラスなどを整備し、テナントのワーカーにとどまらない多様な人の交流で新たなイノベーション拠点とすることを狙う。

 同施設は、東京ワールドゲートのオフィスビジョン「快適」「洗練」「多様」「交流」を実現するもの。機能として、Wi-Fiが使えるラウンジや屋外の水辺テラスに加え、ホテルシェフが監修したデリボックス「CoCo Deli」を提供し、食の観点から健康増進・パフォーマンス向上を支援する。ランチボックスは980円(税込み)で、アプリによるオンライン注文やキャッシュレス決済で販売する。有料でカンファレンスやミーティングルーム、機材がそろった配信スタジオの貸し出しを行う。

 エリア特性を生かし、居住する外国人や旅行者がストレスなく生活できるよう生活コンシェルジュを設置。常時日本語、英語ができるスタッフが常駐するほか、中国語、フランス語、韓国語の5カ国語に対応し、生活支援や観光情報などを提供する。日本各地の良品を国内外に発信する産業支援プロジェクトとして、全国の工芸品や食品を展示・販売する予定だ。