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東急、新たな沿線開発に着手 地域コミュニティ形成を重視 開発部門の事務所を併設、カフェでイベント展開

 東急(株)は、地域のコミュニティ形成を重視した新たな沿線開発手法に着手した。同社は10月14日、街のコミュニティ形成拠点となるカフェ「PARK COFFEE」(東京都品川区大井町)をオープン。1階をコミュニティ形成の場とすると共に、2階に同社の品川、大井町エリアの開発部門の事務所を設置した。今後はイベントを積極的に実施するなど、ソフト面を重視した地域に根差した沿線開発に取り組む。

 同施設は質屋だった土地・建物を同社が取得して建物を新築。1階部分をカフェ、2階部分は同社の事務所として運営する。1階のカフェは、産地から直接買い付けたコーヒー豆を使用した上質なコーヒーを提供。店舗内装は、東急線車両の座席の一部や手すりなどの廃棄部材や木造旧駅舎の廃材を活用し、ペンキなどもそのまま残した。カフェスタッフのエプロンは、鉄道の技術服をリメイクしたものだ。

 東急線沿線の自由が丘エリアにおいて街のコミュニティ形成・カフェ運営のノウハウを持つ「Sunset Coffee」が1階のカフェと併設するコミュニティスペースの運営を担当。地域コミュニティの形成を目指し、イベントを積極的に行う。「大井町を重点エリアとして捉えている。ここを拠点にイベントを行うことで地域の方と(東急が)つながっていく。今後のまちづくりの手法と考えている」(沿線開発事業部開発第一グループの熊田雄介課長補佐)。

 イベントは、SDGs(持続可能な開発目標)の視点から、まずは花とフードロスをテーマにしたものを実施する。開業イベントとして、茎の長さや太さがまばらなチャンスフラワーを販売。

 10月15~17日には、フードロス問題に取り組むKURADASHIがオンラインで販売している商品を店頭で展示・販売する。11月2日には、品川区子育てお話し会を開催し、ネットでは出ないような子育てに関する情報交換の場とする。