マンション・開発・経営

「無人ストア」で付加価値向上へ 日鉄興和不 新築マンションへ導入開始

 日鉄興和不動産は、今後開発する原則すべての分譲マンション等において、入居者の利便性向上や物件の付加価値向上へ向け〝マンション専用無人ストア〟の「Store600」を設置する。20年3月に資本業務提携を締結した600(株)(東京都千代田区、久保渓社長)との協業によるもので、4月2日にサービスや事業戦略についての発表会見を開いた。

 「Store600」はストッカー型の無人販売設備で、スマートフォンアプリにより扉の開錠や支払いを行うシステム。600社は従来、オフィス向けに飲料品などを提供する無人販売設備「無人コンビニ600」を手掛けており、日鉄興和不は19年8月に同設備を分譲マンションに設置していた。その後、「マンション企画や設備の差別化を図るため」(猪狩甲隆日鉄興和不常務)、600社に2億円を出資、提携して本格的な協業を開始した。

 日鉄興和不の狙いは、「Store600」を新築分譲マンションに設置することで、物件の付加価値向上や入居者のコミュニティ形成を促すこと。そしてコロナ禍に伴う価値観の変化を受け、〝ニューノーマル〟対応やDXの推進などへの貢献も重視し、全物件における設置を決定した。

 猪狩日鉄興和不常務によると、現在同社のマンションで「Store600」が設置されている物件は約10棟で、今春から稼働を開始した。今後はまず首都圏を中心にすべての開発物件で導入し、21年度中には大阪や九州でも展開。年間20棟程度を供給していく予定だ。