売買仲介

地域密着探訪 ERAジェイネットハウジング (京都市) 行列のできる地域一番店へ 「京都会」で共同広告、若手育成も

 30歳での独立を目標に経験を積み、出身地の京都で05年11月に同社を立ち上げた。店舗は阪急京都本線桂駅すぐ。京都市内でも西寄りのベッドタウンを主戦場とする。「富裕層は比較的大手志向という土地柄で、当社は3000万円台前半の新築の建売住宅を中心に、そこから派生する売買仲介や賃貸管理、建築まで顧客をトータルでサポートする」と藤原社長は語る。

 可能な限り顧客の要望に応えたいとオプション対応に注力し、吹き抜けやテレワーク用カウンターなど1組当たりの追加工事は150~250万円に上る。今年新たに設計部門も立ち上げるなどサポート体制を強化中だ。

 ERA加盟は14年3月。独立から約10年、社員が増えていく中で今後の事業継続と社員を守るために何が必要かを考えたとき、「目先の集客ノウハウよりも地域密着、顧客第一を共に実現させようというERAの方針が響いてきた」と加盟の理由を明かす。

 加盟後は、担当のスーパーバイザーとの連携により、サンキューレターや地域訪問など地域密着営業の基本を磨く日々だ。またFCのスケールメリットを生かすため、5年前から京都エリアの加盟店約20社が集う「ERA京都会」を主導。加盟店合同による広告出稿や地域清掃活動を実施してきた。若手社員の底上げのための場づくりも創出し、「地域イベントにかかる費用は各社の持ち出し。入念なプラン作りやリスク管理など、若手社員の自主性や責任感が増した」と手応えを語る。

 不動産取引におけるコロナ禍の影響は今後の情勢次第と見る。「購入者本人の意欲とは別に、例えば資金的な援助をする親など周囲の意見が大きくなる」と予測した上で、「先行きの見えない不安に対し、購入後の生活環境をイメージさせることが重要。従来のモデルハウス建築を例年の2、3件から3倍程度に増加させ、見える安心感、説得できる安心感を具現化していく」と構想を描く。

 「顧客第一」を掲げる同社が今後課題とするのが自社のブランディング強化だ。目指すのは「地域で一番行列のできる不動産会社」とし、「不動産から建築までワンストップで顧客の思いに応え、とことん突き詰めていく。『待ってでもサービスを受けたい』と思われる行列店を目指す」と意気込む。そのためにも「LIXIL不動産ショップ」とマッチングしたブランディングを強化したいという。

 ERA本部に対しては、先進的な情報提供や、IoTシステムの構築など環境整備の強化を期待し、共に成長したいと前を向く。「不動産業の地位向上とお客様の幸せをつくることにまい進したい」。