総合

大言小語 深刻な管理問題

 不動産市場が活況な影で、マンションの管理の問題は日々、深刻化し続けている。人材不足が社会問題として浮上して久しい。管理員、技術スタッフ、管理組合役員のいずれもが人手不足に陥っているマンション管理はまさしくその直撃を受けている業種といってよい。

 ▼人手不足と同様に高齢化問題も深刻だ。区分所有者や管理員の高齢化と共に、建物、設備の老朽化も同時に進行する、〝2つの老い〟といわれる問題も抱えている。適切な維持・管理の原資である管理費や修繕積立金の不足や滞納に悩むマンションが多く存在することも問題をより複雑にしている。

 ▼問題山積のマンションに残された選択肢は限られていると言わざるを得ない。しかし、不動産としての収益力を秘めているマンションならばそれが一つの解決策になる可能性がある。敷地や屋上や集会室などの共用部、あるいは空き住戸なども必要ならばコンバージョンを施すなどして収益化の道を広げていくべきだ。管理規約や法規制、税の見直しなど超えなくてはならないハードルも多いが、最大限、自力再建の道を探ることが出発点だ。

 ▼不動産業には開発や管理のプロも豊富だか、収益力を高める不動産に再生させるマネジメントに長けたプロもまた多い。プロ同士のノウハウを持ち合うことで、持続可能社会にふさわしいマンションの新しいあり方も見えてくるようにも思える。