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大言小語 日本は今、47歳

 厚生労働省の推計によると、日本人全員の平均年齢は現在約47歳。35年には50歳となり、その後は50年の51.3歳まで緩やかに上がっていく。40~50代と言えばまだまだ働き盛り。〝超高齢社会〟という言葉から受けるイメージとは若干異なる。もっとも、若返りはない。仮に同様のペースが続くとすれば2100年には55歳ぐらいになる。

 ▼55歳といえば高齢者ではないが、若くはない。人間としては、体力よりも分別や知性に自信を持ち始める年齢だ。つまこれからの日本は、GDPの規模と拡大を追い求めるこれまでの価値観から抜け出し、独自の理念・理想を掲げ、世界に堂々とモノ申す国になるべきではないか。文武両道、国として自立するための力を身につければ国際社会からも一目置かれる。

 ▼現在の平均年齢は47歳。まさに働き盛りなのに筆者(団塊世代)がなじみにしている居酒屋は高齢者ばかりだ。しかし、それは当然である。年を取ると同世代の言葉にしか耳を貸さなくなり、若い世代のはしゃぎ方には敵意さえ感じてしまうからである。もっとも若い人たちも「いいね!」などと言って、価値観の共有に忙しい。

 ▼しかし、本当はそれではいけない。若者から年寄りまで世代間の連帯、絆があってこそ成熟した国家となる。社会保障を始め、何であれ世代間での〝利他主義〟がなければ社会はうまくいかないものである。