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大言小語 今年気になった話題は?

 今年も残すところ1カ月となった。年末に近づくと、あちらこちらで1年間を振り返る話になる。住宅・不動産業界では、どんなことがあっただろうか。都心マンションの価格上昇が続いた。小口化を含めて個人の不動産投資意欲も旺盛だった。地面師事件もあった。生産緑地の「22年問題」の行方、民法や宅建業法改正への対応にも関心が集まった。ITのみならずAI、VR、ARなどの言葉もたびたび紙面に登場した。

 ▼そうした中で、住宅セーフティネット法改正が気になった。住宅確保要配慮者向けに民間の賃貸住宅を都道府県などに登録する制度で、入居を拒まない専用住宅は改修費や家賃補助を受けることができる。しかも対象である「要配慮者」には、低額所得者や高齢者だけでなく、子育て世帯や新婚世帯も含まれる。意外に広い。改めて持ち家か賃貸かの議論に影響を与えるかもしれない。

 ▼そういえば、今年に入って手掛ける会社が増えたリースバックでも、所有にこだわるのか、賃貸でいいのか議論になった。リースバックは所有から賃貸へと時間軸の上での選択だから厳密にはちょっと意味合いが違うが。

 ▼ただ、どちらも業界にとっては大きなビジネスチャンスとなる可能性を秘めている。時代の変革期だからこそ既成概念に捉われず、新たな視点で挑んでみるべきではないか。