総合

大言小語 会って話すことの価値

 大手銀行は4月、住宅ローン金利の引き上げを発表した。マイナス金利政策の影響で金利の底となった3月。引き渡しシーズンに借り換え需要が重なり、銀行には住宅ローンの申し込みが殺到したようだ。何を隠そう、私も住宅ローンの借り換えを3月に完了した1人だ。数百万円も返済額が減少。マイナス金利政策の恩恵を受けることができた。

 ▼当初、金利の低さから、いくつかのネットバンクに審査を依頼。夜間にネットで必要事項を申請。膨大な書類を郵送する。誰とも話さず手続きが進行していく。合理化により実現した金利の低さと利便性の高さからか、ネットバンクには人気が集中。どこも審査時間が予想以上に長期化してしまった。そこに私の書類の不備が発覚。時間切れでネットバンクでの借り換えは実現できなかった。

 ▼借り換えは、意外にも地元の地銀で実施した。決め手は担当者。丁寧な説明で書類に不備はなく、足りない書類については営業時間を問わず対応してくれた。多様に進化している団信は、会って直接話をした上で、必要な疾病特約だけ付加する提案を受けた。金利はネットバンクよりわずかに高かったが納得の契約となった。

 ▼常日頃、書籍はほぼネットで購入している。IT化で合理化が進み利便性は向上した。そんな時代、住宅ローンの借り換えは、人と会って話すことの有益性を感じる貴重な機会となった。