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リノベる×金沢工大×国士館大、脱炭素社会にリノベ住宅の有効性を確認

リノべる(東京都港区、山下智弘社長)は11月30日、大学と共同でリノベーション住宅が脱炭素社会にどの程度貢献できるかを検証したところ、二酸化炭素(CO2)の排出量を76%、廃棄物排出量を96%削減できたと発表した。

「北習志野台プロジェクト」と「戸越公園プロジェクト」として2棟の集合住宅を対象に金沢工業大学の佐藤考一研究室、国士舘大学の朝吹香菜子研究室と共同研究を行った。既存物件を同規模の新築に建て替えた場合と比較して大幅にCO2と廃棄物の排出を抑えることが確認できたという。

北習志野台プロジェクトは、千葉県船橋市ある築19年の総戸数50戸のマンションで、規模が地上6階建て延べ4042平方メートル。建て替えて新築した場合と一棟リノベをした場合を比べてCO2の排出量を76%削減でき、その量は約3300トンに上った。杉の木約37万本が1年間に吸収する量で明治神宮約5.1個分に相当するという。1戸当たりに換算すると、CO2排出削減量は約66トンとなり、杉の木約7500本が1年間に吸収する量に相当する。既存物の解体・設計監理・資材製造・建設段階におけるCO2排出量を計算した。

戸越公園プロジェクトは、東京都品川区にある築49年の賃貸マンション(総戸数8戸)で、規模が地上4階建て延べ487平方メートル。建て替え新築に比べてCO2を63%削減でき、削減量を約336トンと算出した。1戸当たり換算では42トンのCO2が削減できたという。

今後もCO2削減量や廃棄物削減量の定量化を行い、リノベーションが環境に与える影響を検証していく。