政策 総合

国交省、「不動産価格指数」提供開始へ、国全体のマーケット状況を把握

 国土交通省は8月29日から、全国・地域別の毎月の不動産価格を指数化した「不動産価格指数(住宅)」の試験運用を開始する。

 同省では2006年から「不動産取引価格情報」の提供を開始しているが、そこに集まる年間約30万件の住宅・マンションなどの取引価格情報を活用する。2008年度の平均指数を100とし、物件ごとの個別取引特性を排除した上で指数化する。

 指数情報は、「更地・建物付き土地」「マンション」と、それを総合した「住宅総合」。全国、ブロック別(北海道、東北、関東、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州、沖縄)、都市圏別(南関東、名古屋、京阪神)に提供する。実際の取引者へのアンケート調査情報を基データとし、速報値が出されるのは約5カ月後。現地調査による詳細な情報を加えて作成した確報値は、1年後の発表となる。

 今回の価格指数は、サブプライムローン問題やリーマン・ショック、ヨーロッパの経済危機などから、不動産価格動向を国際共通指針のもとで把握する必要性の認識が、諸外国間で高まったことを受けて実現したもの。政府がこのほど策定した「日本再生戦略」の中でも、その整備の重要性が指摘されていた。国土交通省では、「特に外国の投資家からの『日本全体のマーケット状況を知りたい』というニーズに応えるものだ」としている。

 なお、東京証券取引所が2011年4月から公表している「東証住宅価格指数」は、首都圏の中古マンションの価格動向に限定して指数化しているもの。