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大言小語 防災対策のコツは

 あまり大きな声では言えないが、子供のころは、台風やインフルエンザなどによる学級閉鎖などがあると、不謹慎ながら、実は心のどこかに非日常を密かに楽しんでいる自分がいたことは否めない。いまやそんな気持ちはすっかり忘れ果てたが、それは、自分が年を経て大人になったからというだけではないように思う。

 ▼振り返れば、阪神淡路大震災で期末考査ごと高校生活の最後が吹き飛んだことが転機だった。その後、東日本大震災でオール電化のマンションでの停電も体験した。今まで全国ではすぐに数が出てこないほど大きな地震はあったし、豪雨による土砂崩れなど、気が付けば、大きな災害が〝非日常〟と言える状況ではなくなってきている。

 ▼そうした状況に伴い、防災に関する知識を得る機会はずいぶん増えた。「ローリングストック」や「フェーズフリーの調理法」など、日常の延長線上で防災や減災に努める動きも広がっており、住宅事業者の尽力によるところも大きいだろう。にもかかわらず、自分自身の防災対策を振り返ると、恥ずかしながら、やっていないに等しいのが現状だ。

 ▼コストが意外にかかる印象を払しょくできずにいることが、二の足を踏む要因なのだが、先輩記者曰く、「防災グッズは、ふるさと納税で入手すべし」。確かに、取り扱う自治体も意外に多く、品目も多様。特産品に注目しがちだが、良い知恵を授かった。