総合

大言小語 世代をつなぐ

 冬と春をつなぐ2月になった。賃貸住宅市場では繁忙期(1~3月)真っ盛りだ。昨年はコロナの影響で人の動きが今一つだったが、今年は政府の制限緩和もあり、期待できそうだ。

 ▼賃貸住宅探しが不動産と関わる最初の機会となる人も多い。迎える側の賃貸業界は、いわゆるZ世代といわれる現在10代後半から20代前半の住まいへの志向を意識すべきかもしれない。彼らは子供の頃からガラケーではなくスマホに慣れ親しんできたデジタルネイティブ世代だ。そのため、コスパ(コストパフォーマンス)よりもタイパ(タイムパフォーマンス)を重視する傾向が強い。住宅選びにもあまり長い時間はかけたくないかもしれない。そしてブランドにはこだわらず、コンセプトやストーリー性に共感を抱く。例えばオーナーの思い入れがあるアパートに関心を示す、といったことだろうか。

 ▼Z世代の次はα世代。2010年以降に生まれた世代なので社会進出は33年以降だろう。この世代はリアルとオンラインコミュニティの差を感じず、メタバースも現実の一部と認識している世代となる。様々な人と役割や距離を越えて自由・活発に交流する世代になるとも予測されている。

 ▼ただ、こうした技術の発達が世代間の溝を深くしていくのだとするとさみしい気もする。2月が冬と春をつなぐように、世代と世代をつなぐ文化は生まれてこないのだろうか。