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住宅大手、相次ぎ環境性能を拡充 消費エネ削減の全館空調や高出力化PV

 大手住宅メーカーは相次いで環境性能住宅商品を拡充、7月20日にパナソニックホームズが「カサートX 平屋LCCMモデル」を、同23日には積水化学工業住宅カンパニーが木質系ツーバイシックス住宅「グランツーユーⅤ(ファイブ)」に、大容量の太陽光発電システム(PV)と蓄電システムを搭載した「グランツーユーV グリーンモデル」を発売した。

積水化学 木質系にも自給自足エネ型

 積水化学工業住宅カンパニーは、高いエネルギー自給自足率を実現する「グリーンモデル」を初めて木質系住宅でも展開した。

 PVモジュール1枚当たりの容量をこれまでの315ワットから370ワットに高出力化することで、設置面積の限られる傾斜屋根でも、従前の1.17倍に相当する最大7.4キロワットのPVの搭載を実現(約34坪のモデルプランの場合)。片流れ屋根仕様も選べ、更なる大容量化も可能とした。

 また、PVで発電した電気を大容量蓄電池「e-Pocket GREEN」にため、できるだけ自宅で使うことで、エネルギー自給自足率約73%を実現すると共に、住宅性能表示制度の断熱等性能等級5、一次エネルギー消費量等級6(最高等級)を確保し、ZEHに標準対応した。更に、自然の光を効果的に取り入れる「ボウウインドウ」や、深いひさしで直達日射をカットしつつ軒下空間を活用できる「ウェルカムテラス」を採用した。

 販売エリアは、東北・首都圏・信越・中部・中国・四国・九州の1都18県(一部離島、多雪地域を除く)。年間200棟の販売を目指す。

パナソニックH 平屋でLCCM 

 パナソニックホームズは、同社オリジナルの全館空調システム「エアロハス」や平屋の広い屋根を生かした大容量の太陽光発電システムを搭載することで、建設・居住・解体までの建物のライフサイクル全体でCO2排出量のマイナス収支を実現した。

 「エアロハス」は、一般的な全館空調システムと比較して、宅内給気過程の地熱利用や高断熱性能の建物に加え、高効率専用エアコンの採用などにより、消費エネルギーを約26%削減することで、太陽光発電システムの搭載量を抑えてLCCM対応を可能とした。また、モデルプランの場合、年間光熱費が0.3万円で、太陽光発電システムの搭載がない場合(約20.3万円)に比べ、約20万円低減したほか、太陽光発電システムの搭載にかかる初期費用についても、国の補助金を活用することで、ZEH仕様にする場合と比べて約30万円の追加でのLCCM化を可能とした。

 更に、夫婦それぞれのワークスペースや玄関からスムーズに洗面室につながる動線のほか、子供の成長に合わせて自由に空間をレイアウトできる可動間仕切りなどを採用した間取りプランを用意することで、ライフスタイルの変化への対応を図った。

 販売エリアは北海道や一部地域を除く全国。参考価格は、3.3m2当たり100万円台から。初年度は100棟の販売を目指す。