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ビジュアルリサーチ 一気通貫にデジタル化 業務基幹システムを軸に

 宅地建物取引業法の改正で加速する不動産取引の手続きの電子化は、業務効率化や生産性向上に期待できるといわれる。ただ部分的に〝デジタル〟に変換するだけでは〝DX〟に結び付かない。ビジュアルリサーチ(東京都港区)は、提供する賃貸管理業務の基幹システム『i-SP』などを通じ、一気通貫な手続きの〝デジタル環境〟の実現を支援する。ITシステムを軸に賃貸管理や賃貸・売買仲介での〝より効果的〟なDX体制の構築に貢献している。

 同社の『i-SP』は、おおむね管理戸数1万戸以上の管理会社を対象に提供している。空室管理や契約管理、家主報告、請求書、入出金、帳票など、各業務に対応する機能をフルパッケージで用意。導入企業はこれら一連の業務のさまざまな場面の手続きをデジタル化できる。「賃貸住宅管理業法で規定する業務内容を網羅し、すべての情報のデータベース化ができる」(同社の藤澤佑樹氏)。標準機能でも十分に運用できるが、各社の独自の運用に合わせた関連オプションを備え、柔軟なカスタマイズにも応じる。

 これを、よりライトな機能にしたクラウド型『SP-Ⅱ』は、管理戸数1000~2000戸程度に対応している。この2つのシステムに連動する仲介営業支援システム『SP-R』は、反響管理・追客や入居申し込みなどの情報を連動させて転記の手間なく、同社提供の賃貸管理システムに取り込める。今後は各社ポータルサイトとのリアルタイム連携も検討していく。これら3つのシステムは経済産業省の「IT導入補助金2022」に採択された。

 オプションの電子契約では、弁護士ドットコム(東京都港区)の「クラウドサイン」と連携。今後、ほかの電子契約サービスとも連携させる。不動産会社と物件オーナーが容易に、的確につながるオーナーアプリは、WealthPark(東京都渋谷区)やGMOReTech(東京都渋谷区)と提携。IRIS(広島市東区)の与信審査・管理システム「SmartRating」も連携して活用できる。「家賃債務保証会社に加え、独自に与信審査を行いたいという不動産管理会社も少なくない。物件オーナーへのアピールポイントともなり、利便性の更なる向上を図れる」(同社の吉田晴彦氏)。

 同社では、「導入から運用まで伴走する。定型業務をシステムで対応すれば、人にしかできない業務である〝顧客満足度〟の向上に注力ができる。データを活用するDX化の実現までをサポートしていく」(同社の藤澤氏)と話す。