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アットホーム地場の不動産仲介景況感 賃貸で法人需要増、売買は弱含み 経済・景気の先行き不安を反映

 アットホームは5月24日、「地場の不動産仲介業における景況感調査(2022年1~3月期)」をまとめた。

 それによれば、賃貸仲介の業況指数(DI値)は、首都圏が2期連続で上昇したが、近畿圏では2期ぶりに下落に転じて東と西の主要都市で景況感が分かれた。売買仲介のDIは、調査全14エリアのうち10エリアで前期比マイナスとなった。経済・景気の先行き不安を受けて、前期までの回復傾向から一転、変化の兆しがみて取れる。

 賃貸市況をみると、学生と単身者が依然としてネガティブ感が拭えない状況であり、半面、法人でポジティブ感が出ている。売買ではウクライナ情勢と高額物件の2つが心理的にマイナスの影響を及ぼしている。オンラインツールの導入状況については、「未導入」が6~8割だった。

 首都圏の賃貸業況DIは43.8(前期比2.9ポイント上昇)となり、前年同期比でも2.4ポイントとプラスを維持した。

 「リモートが増えたため、新大学生や新社会人が選ぶような単身物件の動きは非常に悪かった」(埼玉県和光市)などの声が上がったが、法人需要は「昨年に比べて転勤で動く人が増えた」(東京都西東京市)との反応がみられた。

 近畿圏の賃貸業況DIは39.2(同1.5ポイント下落)となり、前年同期比でも5.7ポイント下落と5期ぶりに前年の水準を下回った。弱含み傾向だが、「法人契約または法人契約に準じた契約案件が個人契約より際立って多かったように感じた」(大阪府吹田市)という声が上がった。

 売買業況は「上昇・高値継続・ついていけない」など価格に対するネガティブなコメント数が「高価格帯でも購入」などポジティブなコメント数の倍近くに上り、首都圏の売買業況DIは43.9(前期比2.7ポイント下落)だった。「ウクライナ戦争で物資が値上がりし、景気の見通しも立たなくなることを予想」(東京都府中市)との声が多い。

 近畿圏の売買DIは39.5(同4.3ポイント下落)だった。「売却希望は増えているが、建築価格が上がり、買い希望者は慎重になっている」(兵庫県姫路市)などの反応がある。