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大言小語 心を癒やす

 部屋に観葉植物を置くようになって数カ月が経つ。コロナ禍の巣ごもり需要の一つとして、手にする人が増えているらしい。ホームステージングではないが、部屋の片隅に置いているだけなのに、なぜか暮らしにアクセントが生まれたように感じる。

 ▼最初はパキラだけだったが、今ではサンスベリア、ペペロミアと増えた。植物が心を癒やしてくれるのは、眺めているだけでもその色や発散する物質によって人間が本来持っている成長力や免疫力をよみがえらせてくれるからだと言われている。更に植物には調湿効果もり、ドライアイ対策にもなるそうだ。

 ▼近年、木造建築物に対する関心が高まっているのも、コンクリートに囲まれた生活に疲れて、自然の癒やしを求めているからではないだろうか。木造ブームの背景には環境問題もあって木材の二酸化炭素貯蔵効果にも期待が寄せられているが、それ以上に木の文化の国の日本人は、やはり木のぬくもりをどこかで求めているのではないかと感じる。CLTを活用した中層の木造賃貸マンションが供給されるようになったのはうれしいが、現段階では耐火性能確保のために「あらわし」使用が難しいというのは残念だ。

 ▼ホームステージングの本質は、楽しい暮らしを演出することだ。部屋に3つ並んだ植物の世話をすることも家で過ごす時間を楽しく豊かなものにしてくれる。