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坪400万円も販売好調 東急 新駅直結「ドレッセタワー新綱島」 市内で希少な駅近高層

 東急(株)は11月13日に「ドレッセタワー新綱島」(神奈川県横浜市港北区)の販売を開始し、同月17日にモデルルーム内覧会を実施した。22年度に開通・開業予定の東急新横浜線新綱島駅に直結する住商複合型のタワーマンションで、その利便性や希少性から好調な滑り出しを見せている。

 新綱島駅は、日吉駅と新横浜駅をつなぐ新路線と併せて整備される新駅で、計画予定地周辺では大規模な再開発計画が進んでいる。「ドレッセタワー新綱島」はその再開発の一部で、新駅に直結する商業・公共施設(North棟、地上7階地下2階建て)と高層の新築分譲マンション(South棟、地上29階地下1階建て)を一体的に開発するもの。

 同物件の最大の強みは、この「駅直結タワーマンション」という点。同社によると、同市内に所在するマンション約3000物件のうち、20階建て以上かつ駅から徒歩3分以内の物件は1%未満。同物件の販売を担当する沿線開発事業部住宅開発グループ分譲事業推進(2)担当の田中翔太課長補佐によると、「(再開発計画の関係もあり)近隣エリアでは、目に見えて競合する物件がない」状況だ。

抽選倍率は最高4倍

 その希少性から反響は大きい。4月のホームページ開設以降、物件エントリー数は4500件以上で、「当初想定の倍以上」(同社)。抽選倍率は最高で4倍、「第1期(66戸)はほぼ登録完売の見込み」と田中課長補佐は笑顔を見せる。3戸用意した1LDKは投資目的、2LDK以上は実需層が中心だという。

 こうした訴求力を踏まえ、価格的には近隣物件の相場を上回る水準とした。第1期販売住戸の最多価格帯は6500万円台(2LDK)と7800万円台(3LDK)が同数、平均坪単価は約400万円。最高層である28~29階で100m2超の〝プレミアム住戸〟は、坪単価が約500万円で最高価格は1億8000万円台ながら、2倍程度の倍率になっているという。

 他方、「タワーマンションを志向する層による検討が目立つ」(田中課長補佐)一面もあり、五輪選手村跡地の「HARUMI FLAG」(東京都中央区)など、都内のタワーマンションと比較検討するケースも多いという。反響の内訳を見ると、全体の75%ほどが横浜市内で、同市港北区が約50%。都内も20~25%程度ある一方で、地理的に比較的近い川崎市内はほとんどなく、「武蔵小杉を優先的に検討している」(田中課長補佐)様子だ。

近年の生活様式に対応

 立地性だけでなく、住戸仕様でも商品価値向上に努めた。間取りを変更し、1室を小規模な個室と開放空間に分けて使う「マイスタジオ」は同物件で初めて採用されたプランで、窓や空調機器を備えたワークスペースとリフレッシュ空間が設けられる。同プランへの変更は無料。

 キッチンは広めのスペースを確保し、大容量の食洗機を標準採用。浴室には自動浴槽洗浄機も導入し、家事支援の設備をそろえて近年の在宅勤務普及や共働きの一般化といったライフスタイルのニーズに対応した。

 竣工は23年10月を予定。なお同社は同物件に続き、24年に東京・南町田と神奈川・武蔵小杉でもタワーマンションの供給を予定している。