資格・実務

2021 賃貸不動産経営管理士試験模擬問題(8)

問題

【問 36】 共同住宅のエレベーターホール、共用階段、駐車場の照明設備に関する次の記述のうち「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」によれば、適切なものはどれか。

1 共用玄関の存する階のエレベーターホールの照明設備は、床面において概ね50ルクス以上の平均水平面照度を確保するとする。

2 エレベーターのかご内の照明設備は、床面において概ね30ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるものとする。

3 共用階段のうち、屋外に設置されるものについては、住棟外部から見通しが確保されたものとすることが望ましく、屋内に設置されるものについては、各階において階段室が共用廊下等に常時開放されないものとすることが望ましい。

4 駐車場の照明設備は、床面において概ね2ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるものとする。

【問 37】 マンションの建築構造及び供給方式に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 壁式構造とは、鉄筋コンクリートの壁と床版により箱状に構成したもので、壁の多い低層の建物に適する。梁や柱型による凸凹がない室内空間が得られる。

2 マンションを建物躯体と内装設備に分離して計画するのをスケルトン・インフィルマンション(SIマンション)という。

3 トラス構造は、鋼構造等に適用され、節点は剛接合されている。

4 地震に対する主な構造形式には、免震構造、制震構造又は耐震構造があるが、免震構造は、建物の耐震性能が高まるだけではなく、家具の転倒や非構造部材の破壊が少なくなるなどの長所があり、既存建物への設置が可能である。

【問 38】 コンクリートに関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

1 コンクリートのひび割れの原因として、コンクリートの乾燥収縮が考えられる。

2 ポップアウトとは、コンクリートの内部が部分的な膨張圧によって、コンクリートの表面の小部分が円錐形のくぼみ状に剥がれ落ちた状態をいう。

3 コンクリートの中性化が鉄筋の位置まで進行すると、鉄筋が錆びて膨張し、構造耐力の低下につながるので中性化の診断は重要である。

4 コンクリートの一部を円筒状にコア抜きし、取り出したサンプルにフェノールフタレイン溶液を専用機器で噴霧した場合、赤色に変化した部分は中性化しており、無色のままの部分は中性化していないと判断される。

【問 39】エレベーターの構造及び保守点検契約に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 エレベーターの駆動方式は、主にロープ式と油圧式に分類できる。

2 ロープ式エレベーターは、屋上等の上部に機械室を必ず設けなければならない。

3 「フルメンテナンス契約」とは、定期的な機器・装置の保守・点検を行うことに加え、点検結果に基づく合理的な判断のもと、劣化した部品の取替えや修理等を行う契約方式をいう。

4 「POG契約」とは、消耗部品付契約のことで、定期点検や契約範囲内の消耗品の交換は契約内に含まれるが、それ以外の部品の取替えや修理は別途料金となる。

【問 40】 建築物の換気設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 自然換気は、室内と室外の温度差による対流や風圧等を利用した換気方式である。

2 機械換気の第1種機械換気は、居室に設けられる熱交換型換気設備等に採用される。

3 機械換気の第2種機械換気は、室内が負圧になるため、他の部屋へ汚染空気が入らない。

4 第3種機械換気は、室内が負圧になるため、他の部屋へ汚染空気が入らない方式である。

 

正解と解説

【問 36】 正 解 1

1 適切で、正解。共用玄関の存する階のエレベーターホールの照明設備は、床面において概ね50ルクス以上の平均水平面照度を確保するとする(防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針第3.2(4)イ)。その他の階のエレベーターホールの照明設備は、床面において概ね20ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるものとする。

2 不適切。エレベーターのかご内の照明設備は、床面において概ね「50ルクス」以上の平均水平面照度を確保することができるものとする(同指針第3.2(5)エ)。

3 不適切。共用階段のうち、屋外に設置されるものについては、住棟外部から見通しが確保されたものとすることが望ましく、屋内に設置されるものについては、各階において階段室が共用廊下等に常時開放されたものとすることが望ましい(同指針第3.2(6)ア)。

4 不適切。駐車場の照明設備は、床面において概ね「3ルクス」以上の平均水平面照度を確保することができるものとする(同指針第3.2(8)イ)。

【問 37】 正 解 3

1 適切。壁式構造には、壁式鉄筋コンクリート構造や壁式プレキャスト鉄筋コンクリートなどがあり、耐力壁で躯体が構成されており、柱がない構造である。

2 適切。SIマンションは、建物躯体と内装設備を分けることにより、居住者のニーズや居住水準の向上等に柔軟に対応でき、長期にわたる良質なマンションの使用価値を持続させることを目標としている。

3 適切でなく、正解。トラス構造は、鋼構造等に適用され、節点はピン接合されている。節点が剛接合されているものは、ラーメン構造である。

4 適切。免震構造は、積層ゴム(アイソレーター)や滑り機能をもつ免震装置を設けて、地震力に対して建物をゆっくりと水平移動させ、建物の曲げや変形を少なくする構造であるため、家具の転倒や非構造部材の破壊が少なくなるなどの長所がある。

【問 38】 正 解 4

1 適切。コンクリートを打設した後は、水分を蒸発させながら硬化が進んでいく。水分の蒸発によってコンクリートの表面から徐々に乾燥し、同時に収縮が起こり、その結果としてひび割れを誘発することになる。

2 適切。ポップアウトは、凍結融解作用によるポップアウト、反応性骨材によるポップアウト、鉄筋の錆によるポップアウトがある。

3 適切。コンクリートは、空気中の二酸化炭素により、中性化していく。鉄筋は、コンクリートがアルカリ性であるときは、腐食を防止できるが、中性化すると腐食が進行する。鉄筋が腐食すると、鉄筋は膨張し、コンクリートにひび割れが生じる。

4 不適切で、正解。フェノールフタレイン溶液は、アルカリ性で赤色に変化し、アルカリ性を失った部分では無色である。無色の部分が中性化しているということになる。

【問 39】 正 解 2

1 適切。エレベーターの駆動方式は、主にロープ式と油圧式に分類できる。ロープ式とは、ロープを巻き上げ下げして、かごを上下させる駆動方式である。

2 最も不適切で、正解。ロープ式エレベーターは、屋上等の上部に機械室を設けるが、機械室のないマシンルームレス方式もあり、近年、増加している。

3 適切。「フルメンテナンス契約」とは、定期的な機器・装置の保守・点検を行うことに加え、点検結果に基づく合理的な判断のもと、劣化した部品の取替えや修理等を行う契約方式をいう。

4 適切。「POG契約」とは、消耗部品付契約のことで、定期的な機器・装置の保守・点検のみを行う契約方式で、契約において定める消耗品を除き、劣化した部品の取替えや修理等を含まないものをいう。

【問 40】 正 解 3

1 適切。自然換気方式は、給気ファンも排気ファンも使用しない方式で、室内と室外の温度差による対流や風圧等を利用した換気方式である。

2 適切。第1種機械換気方式とは、給気と排気の両方を機械(換気扇)で換気する方法である。熱交換型換気設備には第1種機械換気を採用する。

3 最も不適切で、正解。第2種機械換気は、室内が正圧になり、他の部屋の汚染空気は入らない。

4 適切。第3種機械換気方式とは、給気は自然吸気、排気は排気ファンで強制的に行う換気方法。室内は、負圧となり、他所からの空気が入ってくる方式である。