売買仲介

大京穴吹不 高額物件の専門店舗 東京・麻布に1号店 買取再販も強化

 大京穴吹不動産は10月1日、都心の高額物件を専門に扱う仲介店舗「麻布レジデンスサロン」(東京都港区)をオープンした。同社が高額物件を専門に扱う仲介店舗を開設するのは今回が初めて。近年、港区を中心に都心の高額中古市場は拡大傾向で、大手不動産流通各社は専門店舗を都心に相次ぎ出店している。同社では、仲介だけでなく買取再販やリフォーム、賃貸など総合的な提案で差別化を図り、更なる成長を目指す。

 同店舗は都営大江戸線と東京メトロ南北線の麻布十番駅から徒歩3分のビルの2階に位置する。入り口から左右に1つずつ設けられた商談スペースは、いずれも通常の2倍近い20m2ほどの広さがある。更に、顧客がその場で遠方の家族や税理士らと相談できるようにオンライン専用の個室も備える。店舗スタッフは、社内でも特に顧客からの評価が高い営業担当者6人を集めた。

成約、価格共に上昇

 東日本レインズによると、都内の1億円以上の中古マンション成約件数はこの5年間で約3倍に増加。都心3区(千代田、中央、港)でのマンション価格は現在(21年4~6月平均成約価格)7960万円で5年前と比べて2700万円近く上昇している。

港区で顕著

 同社によると、中でも港区は高額物件の取引増加が顕著で、また築40年を超える物件も多く豊富なストックがあるエリア。顧客層は「いわゆる会社経営者などの富裕層だけでなく、最近は高所得の共働き夫婦も目立つ」という。忙しく、あまり時間や手間をかけたくないというニーズも強いため、仲介だけでなく、自社で買い取り、リノベーション後に再販する事業「リノアルファ」の提案にも力を入れていく。

 同店舗を中心に、1億円以上の高額物件の買取再販を年間100戸以上手掛けていく計画だ。

 富裕層向けの専門仲介店舗は、三井不動産リアルティや住友不動産販売、東急リバブル、野村不動産ソリューションズなど大手流通各社も都心部で出店している。