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ボルテックスが銀座に新築商業ビル 土地柄意識し異例の試み

 ボルテックスは東京都中央区銀座6丁目で新築商業ビル「GIRAC GINZA(ジラク ギンザ)」を7月30日に竣工し、8月にテナントへのフロア引き渡しを開始した。入居テナントの準備が整い次第、順次開業していく予定。

 「区分所有オフィス」事業を主力とする同社としては、商業ビルの開発は「カスケード原宿」(東京都渋谷区)に続き6年ぶり2件目であり、異例の試みといえる。同社担当者は「銀座での土地取得は常に意識しており、今回は取得した土地の地域特性に合わせた最適活用を考え商業ビルの開発に至った」と説明する。また同開発事業の実現に当たり、中国の不動産ディベロッパー旭輝集団(CIFI Group)とSPC(特定目的会社)を組成した。

 立地は東京メトロ・都営浅草線東銀座駅から徒歩3分で、比較的築古のビルが立ち並ぶ区画。敷地面積は474.85m2。地上11階地下1階建てで、延べ床面積は4476.53m2。店舗向け賃貸区画は22区画。飲食店のほか、美容関連やシェアオフィスなどのテナントの入居を見込む。

 建物は銀座を訪れるインバウンド観光客などへの訴求を図るため、外観は市松模様を意識したデザインとしたほか、館内の壁面タイルに和柄をあしらうなど意匠性を重視。同社の建築部門担当者は「コストメリットも考えつつ、デザイン性や利用者の利便性を極力高めるために工夫を凝らした」と振り返る。

 現在は、コロナ禍の影響も鑑みて慎重に交渉を進めつつ、テナントのリーシング加速に注力。新築のため賃料は周辺相場よりもやや高額に設定しているものの、「1年以内を目安に満床稼働を目指す」(同社)としている。