Pick Up!
- 大和ハウスが住友電設にTOB、データセンター開発など強化へ
- 戸建て購入予定者の8割が「資産価値重視」との調査結果
- 賃貸管理士試験の申込者数が過去最高、キャリアや待遇向上へのニーズが後押し
1週間のランキング・トップ10から記者が気になる記事を3つピックアップしていきます。
初めに、今回1位となった「大和ハウス工業、住友電設の完全子会社化へ株式公開買い付けを開始(2025/10/31配信)」をご紹介します。国内ハウスメーカーとして売上高最大手の大和ハウスが、電気設備工事会社である住友電設にTOB(株式公開買い付け)を実施するというニュースです。いわゆる「友好的TOB」で、住友電設及びその親会社の住友電気工業も賛同しており、3社で業務提携契約を締結して株式譲渡後も取引関係の継続や協業の検討を行っていく方針です。大和ハウス側の狙いは、不動産アセットとしての価値が近年著しく上昇しているデータセンターや半導体工場等の建設事業を強化すること。ハウスメーカーや不動産ディベロッパーとしては、競合するライバルの動きとして、また事業領域拡大・強化の挑戦的な事例の一つとして、各社とも大きな関心を持って受け止めたことでしょう。更に、TOBの企業規模・買い付け総額の大きさもあって、業界外からの注目も集めた様子がこのランキング結果からうかがえます。
次は、4位の「タカマツハウス 戸建て購入予定者の意識調査 8割超が『資産価値を重視』 感性・独自性よりデータ根拠に(2025/10/28号)」です。一般的に、特に好立地のマンションはリセール価格を維持しやすいため購入者も資産価値を重視する一方で、戸建て住宅は建物価値が減少しやすく資産価値への意識は低め……という傾向があるとされます。これは、RC造のマンションと木造戸建ての法定耐用年数の差や、実際の取引市場の動向などで説明されることが多く、ある程度実態に即したイメージと言えるでしょう。しかしタカマツHの調査では、戸建て購入予定者の8割以上が「資産価値」を重視しているという結果でした。その他の設問への回答も合わせると、ポイントは「リセール時に評価されやすい住宅仕様」を重視する傾向の高まりです。つまり、「個別ニーズへの対応」が強みの注文戸建てよりも、「より広いニーズへの対応」が基本の分譲戸建てのほうが、資産価値を重視する多数派の顧客層に好まれやすいという可能性を、同調査結果は示唆していると考えられます。ただし、調査対象は首都圏在住の戸建て住宅購入検討者であり、「立地」による資産価値とその重要性を一定程度は前提としている点は考慮する必要があります。
3つ目は、少し離れた8位の「賃貸不動産経営管理士試験、申込者数が過去最多の3万6360人に(2025/10/30配信)」をピックアップします。11月16日に実施される賃貸管理士試験の申込者数が、07年の制度創設以来の過去最高を更新しました。これまでの最高記録は、賃貸住宅管理業法の成立・施行により、同資格が賃貸住宅管理業務に必須の「業務管理者」の要件と定められてから初の試験となった21年度でした。つまり今回は、「国家資格」化の直後を上回る申し込みを集めたということです。受験理由アンケートでは、「就職・転職のため」「資格手当がある」「昇給・昇格・昇進のため」との回答が前年よりも大幅に増加したとのこと。キャリアアップや待遇改善を求める受験者ニーズの高まりはもちろん、賃貸住宅管理という事業・業務の重要度と、その専門家に対する企業側の評価も向上している実態の表れと言えるニュースではないでしょうか。




