賃貸・管理

特別企画(前編) GMO ReTech 賃貸運営を楽に 容易に最適につながる

 「賃貸運営を楽にする」――。その想いを叶えてもらいたい、という強い願いから、GMOReTech(東京都渋谷区)は、不動産テックのサービスブランド『GMO賃貸DX』を展開している。20年12月の『GMO賃貸DXオーナーアプリ』、1月の『GMO賃貸DX入居者アプリ』に続き、今秋には『GMO賃貸DX業者さんアプリ』のリリースを控える。同社の『GMO賃貸DXオーナーアプリ』の導入を機会として、賃貸仲介・管理会社の朝日不動産(富山県富山市)は、ある「大きな課題を解消したい」と、新たな改革に乗り出す。

 GMOReTechが提供する『GMO賃貸DXオーナーアプリ』は、賃貸管理会社と物件オーナーを容易に、最適につないでくれるツールだ。同様な他社サービスもあるものの、朝日不動産では、「搭載機能と、そのコストパフォーマンスが圧倒的に優れていた」(朝日不動産の近藤祐平氏)ことが、導入の決め手となったようだ。

アプリで叶える

 『GMO賃貸DXオーナーアプリ』を活用すると、物件オーナーは、家賃などの収支状況や管理業務の報告、リフォームの提案などを受けられ、それらの承認・確認の判断をすべてアプリでできる。賃貸管理会社は、文書を保管して更新履歴を確認し、業務の進ちょくを知るワークフロー機能や、オプションで売却査定、電子契約もできる。

 新しいツールの導入には〝抵抗感〟を抱きがちだが、使い方は簡単。賃貸管理会社の管理画面から物件オーナーへ案内し、アプリをインストールするだけで済む。すぐに、情報の共有やコミュニケーションのやりとりができる。従来のような煩雑な紙書類の処理や手作業から開放され、コストの低減にも期待できる。

まちを〝咲顔〟に

 今回、その『GMO賃貸DXオーナーアプリ』の導入を決めた朝日不動産は、フランチャイズ「アパマンショップ」や独自ブランドの店舗を富山県内11店舗、東京都内1店舗で展開し、豊富な情報量とネットワークを強みとして、多様な賃貸ニーズに対応している。

 また、まち全体が心の内から幸せな〝咲顔〟(えがお)で咲き誇るようなサービスを提供したいとの想いを実現している。業界新聞社の調査で富山県内の賃貸仲介件数は、常に2位を大きく引き離す「1位」に輝く。日本エイジェント(愛媛県松山市)が展開する「レスQセンター」にフランチャイズ加盟して、「お困りごと」に即時に対応するなど、プロパティマネジメントにも力を入れている。

抱える課題感

 朝日不動産の社員の平均年齢は、32歳と比較的に若い。「逆にベテラン層が少ない。人財層の厚みに不足感がある」(朝日不動産)という。物件オーナー別の担当制を敷くところは少なくないが、同社では「部門担当制」によって物件オーナーのウォンツとニーズに応えている。

 高い専門性の経験や知見、ノウハウの充実・強化が求められている。一層の飛躍には、業務の改革が必要だ。更に、もう一つ「大きな課題」もある。3年前に始めた物件オーナー向けアンケート調査から、それは浮かび上がった。(後編に続く)