売買仲介

特別企画 自立型サ高住「グランドマスト」 子世帯との〝近居〟実現 コロナが住み替えニーズを顕在化 積和グランドマスト首都圏営業部課長 小金井雅氏

 コロナ禍は、住宅ニーズに変化をもたらす契機になっている。積水ハウスグループの積和グランドマストが展開する自立型サービス付き高齢者向け住宅「グランドマスト」も例外ではない。同社の首都圏営業部・小金井雅課長によると、自分の納得のいく住み替え先を訴求するシニアのニーズが顕在化しているという。

 ――コロナ禍の影響は。

 「外出を制限する暮らしが続き、自分一人での生活に不安を感じて相談するシニアが増えた。また、会う機会も制限され、買い物などにも不安を感じる中で、遠方に暮らす親世帯を心配する子世帯も増えている。子世帯からの相談は、全体の半数を占めている」

 ――どのような形で子世帯との〝近居〟を実現しているのか。

 「現在のところ、(グランドマストは)首都圏での展開が大半であることから、子世帯が親を近くに呼び寄せる形で、最寄りのグランドマストを紹介するケースが多い。親子がお互いに安心して程よい距離感で過ごす選択肢として、一役買っているようだ」

 ――親自身が入居を決断する決め手は。

 「自宅での生活は心配や不安があるが、まだ自分の身の回りのことは自分でできる、これからもしたいというシニア層にとって、管理優先の老人ホームなどではなく共同住宅ではあるが自由やプライバシーが確保できる点が、決め手になっているようだ。戸建てからの住み替えで入居に至るケースが多い。戸建てでの生活スタイルを維持できる点に加え、庭の手入れや誰も使っていない部屋の掃除といった〝目に見えないコスト〟である労力からも解放されるなど、集合住宅への住み替えならではの利便性の高さも強みになっている」

老人ホームから転居も

 ――子世帯の〝呼び寄せ〟が増えたほかは、どんな影響があったか。

 「いわゆる老人ホームに入居していたものの、コロナを機にクラスター予防のため、外出制限や来客制限が厳しくなり、〝自分はまだまだ元気だ〟とグランドマストに転居するケースも目立つ。老人ホーム入居者の場合、自宅などで転んで骨折して入院し、退院時にリハビリが必要で、自宅での生活がまだ困難な状態であったことから、入院先の病院から紹介されて入居し、リハビリ完了後も自宅での生活に不安を感じ、そのまま入居しているといったケースも少なくない。更にコロナ禍の現在、面会はスタッフ同伴の上、リモートで1週間1回10分程度、といった施設も多いようだ。こうした老人ホーム入居者の子世帯からネット検索を通じたアクセスや相談が増え、自由を求めるシニアのニーズを改めて認識した」

 ――今後の方針は

 「シニアの場合、急な転居が必要な際も、一般的な賃貸住宅を探すのが困難であるほか、自宅の段差が不安といった住まいに関する相談窓口がほとんどないのが現状だ。そうした役割をグランドマストが担うことで、社会的な使命を果たせると感じている」

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 「グランドマスト」に関する問い合わせは、フリーダイヤル0120(815)823まで。