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ひと リアルな営業支える裏方に 360度パノラマ自動作成システムを手掛けるアクトキューブ社長 犬丸 誉之さん

 03年の創業以来、不動産業界を中心にウェブ制作、高画質の360度パノラマやVRの撮影・制作サービスを展開する。「福岡県で不動産業界のウェブサイト構築に関わってきた。東京で更なる挑戦を決めたとき、東証一部企業から出資を受けて創業に至った」。

 07年6月に始動した「クイックパノ」は、売上高の5割を占める。360度パノラマを手軽に配信できるASPサービス(今週のことば)で、簡単操作、マルチデバイス対応が特徴。営業担当者はワンタッチで撮影から不動産のウェブコンテンツ作成が可能となる。ポータルサイト「スーモ賃貸」で採用されて以降、賃貸取引の現場で活用が進み、同社のサーバー上の配信パノラマ物件数は約530万件(10月20日現在)に上る。

 「より質の高いパノラマ表現で、新築や高級賃貸領域の開拓も進めたい」と、「ナビパノプラス」(03年5月始動)や「マーターポート」(18年3月始動)にも注力する。前者は、プロのカメラマンを物件現場に派遣し、撮影した質の高い画像を制作するサービス。撮影は全国対応し、CG家具ホームステージング加工など顧客の要望に応じたカスタマイズ機能が豊富。新築分譲やリゾート向けで利用され、累計1万8000件の撮影実績を持つ。後者は、室内空間を3Dモデルとして作成し、バーチャルツアー体験などを可能とする。コロナ禍の非対面需要によって問い合わせが急増しており、21年には現在の首都圏から全国へ対応エリアを拡大する構想だ。

 今年4月にはゼンリングループに加わり、AI活用など新たなサービス開発を加速する。「部屋をリアルに見せる疑似内見を活用し、物件の絞り込み、対面営業につなげる手法は不動産営業の業務を効率化する。営業機会に注力できるよう、品質と操作のひと手間を追求していく」。

 68年生まれ。趣味はキャンプ、バイク。(佐々木淳)