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大言小語 梅雨が明ける前に

 例年通りならば梅雨明けはまだ2週間ほど先だろうか。それにしても今年は雨よりも、コロナウイルスで気持ちがふさぐ。だらだらと続く見えない敵との戦いに、誰もが疲れきっている。何かスカッとするニュースはないものか。

 ▼7月1日、三菱地所コミュニティが立ち上げたベンチャー企業が「社会課題を解決する日本初のマンション管理サービス」というテーマで記者会見を行った。その内容は、アプリを使って居住者らによる自主管理を支援するという意外性があった。管理会社が自らの存在を否定するかのような自主管理をオススメするという逆転の発想だ。

 ▼コロナ後の新しい社会像を求めて、様々な模索が始まっている。ある経営者は「変革をすることが責務のようなプレッシャーを感じる」と笑った。個人も同じ。これまでとは違う生き方をしなければ、社会から取り残されるかのようなプレッシャーが梅雨の憂鬱さを増している。アフターコロナもポストコロナも強制されたらうっとうしい。

 ▼先のベンチャー企業の社名はイノベリオス。「イノベーション」と「ヘーリオス(太陽)」の造語だという。イノベーションは個人にとっても、もはや避けて通れない時代ならば、覚悟を決めて普段の生活を逆転の発想で見直してみよう。そこから「新たな自分」を見つけてスカッとしよう。梅雨が明け、あの猛暑がやってくる前に。