主要不動産企業の20年3月期決算、新型コロナ影響も過去最高 20年度業績予想、約半数「未定」で不透明感強く

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 主要不動産企業の20年3月期決算がまとまった。第4四半期は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、商業施設や宿泊施設を中心にマイナス要因があったものの、新築マンションや都市部での賃貸住宅の底堅い需要、オフィスの好調による好業績が目立ち、過去最高の業績を記録したところも複数あった。一方、21年3月期は、業績予想を「未定」とする企業が中堅を中心に目立つなど、先行きの不透明さが漂う。ただ、減収減益予想も過去10年と比較しても低い水準ではなく、分譲住宅、オフィスを中心に需要は底堅いと見ている。

住宅、オフィス底堅く

 新型コロナの影響で、集計した35社のうち、来期の業績予想を「未定」としたのが15社。また、業績予想を示した企業も、今後の情勢で修正する可能性を明確にしている。

 大手ディベロッパーの20年3月期業績は、今年2月以降に商業施設やホテルなどで新型コロナによる悪影響があったものの、期を通じて良好な不動産市況を反映し、オフィスや分譲マンションがけん引役となり、過去最高の業績を更新した。

 21年3月期の予想について、緊急事態宣言が発令された第1四半期は、新築マンションの販売拠点や商業施設の閉鎖、テナント家賃減免、ホテルの営業休止などの制約を受けたが、第2四半期以降は徐々に回復するとの前提を設定。新築マンションは、期首時点で高い契約率を確保し、オフィスもテナントとの契約が比較的長期となるため、直ちに影響は出てこないという見方が支配的だ。

 マンション市場の先行きについては、株価の下落などにより高額物件への一定の影響があると見られるが、共働き世帯の増加などにより「実需は順調」(三井不動産)と指摘。また、マンション価格も「投げ売りも起こりにくいことから、価格の大幅な低下にはつながらない」(三菱地所)とする。

 一方、三菱地所は、テレワークの普及やサテライトオフィスの拡大による郊外居住見直しの可能性も指摘する。このような状況下で、オフィス需要の変化を指摘する声があるが、「現時点の影響は見通せない。ただ、我々としては(テレワークと)併存していくだろうとみているので、変動も緩やかになるのではないか」(東急不動産)と話す。

投資用販売も好調

 ワンルームマンションなど収益不動産事業を主力とするディベロッパー各社の20年3月期業績は、都市部の底堅い賃貸需要と低金利に後押しされ、増収増益となった。

 プレサンスコーポレーションは、販売が好調に推移し、10期連続で前期比10%以上の増益、過去最高の売り上げと利益を更新した。エフ・ジェー・ネクストも売上高、利益共に過去最高を更新した。新築だけでなく中古マンション販売も積極化し、計2555戸を販売した。プロパティエージェントも増収増益。IT重説の社会実験参加やオンライン商談など販売活動におけるデジタル化推進などで、売上高を伸ばしながらも販管費を削減できたという。新日本建物も資産運用型マンション販売が順調に推移し、ホテルなどの収益物件や物流施設用地の企画・販売も進み、増収増益となった。

 ただ、各社とも21年3月期は状況が一転しそうだ。現在、新型コロナの感染防止で対面での商談を抑制するなど営業活動にも影響が出ている。収束時期は不透明であり、業績予想は様々だ。

 エフ・ジェー・ネクストは購入需要への影響が第2四半期末頃まで一定程度継続すると仮定し、減収減益を予想。プロパティエージェントは(1)第3四半期頃には回復基調へ転じる、(2)年度内は回復に転じないというシナリオを想定し、業績予想開示はレンジ形式とした。新日本建物は増収増益としつつ、新型コロナの収束時期次第では業績に影響が出るとしている。プレサンスコーポレーションは、コロナの影響を合理的に算定することは困難として現時点では開示していない。

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