総合

大言小語 知らぬ間に進行する

 先日、歯科医院で抜歯した。金属の被せ物の中が虫歯になっていたため痛みがひどい上に、マスクを忘れて受付で注意を受けて痛い目に。集団感染に影響すれば皆さんの歯科診療の機会を奪いかねず、歯の痛みが分かるゆえに、居たたまれないどころでなかった。

 ▼最近、検察庁法改正案で、芸能人や文化人などの著名人が一斉に反対の姿勢を示した。法案の内容の是非はともかく、新型コロナウイルス感染症の話題一色の中、重要法案の国会審議に国民が注意を向ける機会となったのは大事なこと。

 ▼更に、ある有名女優が種苗法改正案に疑義を呈した。簡略に説明すれば、農作物の種子開発に特許を与える。毎年の作付けで農家が使用の許諾料を支払う事態になる。その農家の負担は収穫物の値段などに影響し、家計に転嫁されて日本の食卓が危ぶまれる、と問題視しているようだ。

 ▼問題点はそれだけではないのだが、折しも今回、「新しい生活様式」で〝横並びの食事〟が提言されたばかり。我々の食生活はどのように変容していくのか。だが、確実に変わりそうなのは働き方で、中でも「在宅勤務」であろうか。既にオフィスに解約の動きがある。

 ▼仕事もしやすい快適な住環境づくりが一層求められてくることは必至になってきた。そこに気付かなくても、需要は知らぬ間に進行していく。虫歯ではないが、そのニーズを感じないと、後々の業績で痛い目に合う。